Appleの重役からのヘッドハンティングはこんな感じ!?引き抜きの舞台裏
Appleの重役からヘッドハンティングされるのは、どんな感じなのでしょう?マーケティング担当責任者、フィル・シラー氏の直属の部下として働いていたマイケル・ガーテンベーグ氏が、その頃のことを語りました。
「やあ、マイケル。一緒に働かないか」
Appleでプロダクトマーケティングのシニアディレクターとして3年間勤務していたマイケル・ガーテンベーグ氏はApple入社前、テクノロジー関連のアナリストとして、Appleの決算発表電話会議で売上や販売見通しについて、グローバルマーケティング担当の上級副社長であるフィル・シラー氏らに質問する立場にいました。
ガーテンベーグ氏はある日の電話会議の終わりに、プロダクトマーケティング担当副社長であるグレッグ・ジョズウィアック氏から、「5分か10分、時間をもらえないか」と声をかけられます。
「Appleの役員はアナリストと無駄話なんかしないからね。何か、ジョズをムカつかせるようなことを言ってしまったかな、と思ったよ」とガーテンベーグ氏は振り返ります。
しかし、その後かかってきた電話は、Appleへの取材禁止を言い渡すものではなく、仕事のオファーでした。
「やあマイケル、ジョズだ。あまり話す時間がないので率直に言うが、私たちと一緒に働かないか?」
「仕事の内容を話す気はないんだろ?」「まぁ、そうだね」
ガーテンベーグ氏は最初、何のことだか分かりませんでした。「だって、Appleだぜ」
彼が衝撃から立ち直ると、ジョズウィアック氏は、東海岸からAppleの本社があるカリフォルニアのクパチーノに引っ越す必要があること、マーケティング担当上級副社長のフィル・シラー氏の部下として働くことになること、シラー氏が直接話したがっていることを告げます。
「ジョズ、君は仕事に興味があるか、西海岸に引っ越す気はあるかと尋ねるけど、仕事の内容を話す気はないんだろう?」とガーテンベーグ氏が問いかけると、ジョズウィアック氏は「まぁ、そうだね」と応じ、「2、3日のうちにフィルが君に電話するよ」と伝えました。
電話で「2日以内に本社へ」、飛行機を降りると「今からミーティングを」
家族に新しい仕事のことを話したガーテンベーグ氏のもとに数日後、Appleのリクルート担当から電話がかかってきました。
内容は、フィル・シラー氏が直接話したがっているので2日以内にApple本社に来てほしい、というもので、当然ながらこの電話でも仕事内容は告げられませんでした。
飛行機から降りた彼の携帯電話に、メッセージが届きました。それは、Appleでマーケティング・コミュニケーションとグラフィックデザインを担当していた浅井弘樹氏(2015年12月に退職)が出張に出てしまうので、その日のうちに浅井氏とミーティングを持つように、というものでした。
「その翌日はミーティングが目白押しだった」とガーテンベーグ氏は、シラー氏の部下である各部門の責任者たちとの面談で埋まった一日を振り返ります。
一日で面談したメンバーこそが、彼がマーケティング担当シニアディレクターとして一緒に働くメンバーでした。
「Appleは働くには世界で最高の場所」
ガーテンベーグ氏は、2013年5月から2015年末までの勤務先について「おそらくAppleは、働くには世界で最高の場所だろう」と語っていますが、Apple在職中のことについては、「Appleで起こったこと、それはAppleにいた、ということだ」と述べるにとどめ、詳細は明かしていません。
しかし、Appleの社風をあらわすエピソードとして、入社当日の出来事を明かしています。
「Appleは、細部に生きる企業なんだ。入社初日、誰かにメールを送ったら、返事が来た。メールの最後に『P.S. ここではスペルが重要です』とあった」
彼のメールには「the」を「hte」と打ったミスタイプがありました。
以前はジョブズの指揮下で働いたデザインチームやApple Storeの元従業員の告白が話題に
Appleの役員からヘッドハンティングされ勤務するには、短時間での意思決定と目まぐるしい変化に対応できる適応力が必要そうです。
以前、スティーブ・ジョブズのもとで勤務していたデザインチームの元スタッフが「週末もなく、凄まじいプレッシャーだった」と明かしたほか、Apple Storeの元従業員が「どんなに売れてもボーナスがなかった」と語り、話題となっています。
Source:Business Insider
Photo:Mac Observer, Apple
(hato)