ソフトバンク、アローラ副社長が突然の退任!孫正義社長「欲が出てきた」
ソフトバンクは、孫正義社長が自身の後任として2014年に副社長として迎え入れたニケシュ・アローラ氏が任期満了に伴い退任することを発表しました。
孫正義社長が迎え入れたアローラ氏、株主総会前日に突然の退任
Google最高事業責任者など輝かしい経歴を持つニケシュ・アローラ氏は、2014年に孫正義社長自身が熱心に働きかけてソフトバンクに招き入れ、アローラ氏の副社長就任発表時には、同氏を迎え入れることの喜びを語っていました。
2014年秋から、数々の海外投資案件を担当し、今年に入ってからは中国の通販会社「アリババ」、フィンランドのゲーム会社「スーパーセル」や「ガンホー」といった大胆な株式売却で巨額の資金調達を成功させて注目を集めていました。
退任の理由は「両者の時間軸のずれ」
株主総会前日の6月21日に突然発表されたアローラ氏の退任について、ソフトバンクはプレスリリースで以下のように説明しています。
当社代表取締役社長の孫 正義は、アローラを有力な自身の後継者候補として考えていましたが、数多くのテーマに取り組む中で、当面は当社グループのトップとして指揮を執り続ける意向です。
一方で、アローラは、数年のうちに孫に代わって当社グループのトップとして指揮を執りたいとの意向でした。こうした両者の時間軸のずれを踏まえ、アローラは当社の代表取締役及び取締役を任期満了に伴い退任し、次のステップに進むこととなりました。
孫社長「あと10年やりたい、と欲が出た」、アローラ氏「孫社長は若返った」
アローラ氏の退任日となる6月22日の株主総会では、孫社長の挨拶に続き、アローラ氏が挨拶に立ちました。
59歳の孫社長は「アローラ氏を迎えた時は60歳で代わろうと思っていたが、あと10年やりたい、と欲が出てきた」と、ソフトバンクが注力する人工知能技術などの分野の発展を見て、社長としての続投を考えるようになった、と続投の意向を語りました。
一方のアローラ氏は、孫氏について「多くを学ばせてもらった」と感謝の言葉を述べるとともに、「投資先の若い創業者に会い、若返ったのだろう。情熱とエネルギーを取り戻した」「今後もサポートしたい」と語りました。
また、アローラ氏の後任には、国内事業を主に取り仕切ってきた宮内謙氏が就任することが発表されています。
「最近のソフトバンクはおとなしすぎる」との批判も
Appleの故スティーブ・ジョブズ氏に直談判し、2008年に日本で初めてiPhoneを発売、衝撃的な料金プラン「ホワイトプラン」で携帯電話の料金に旋風を巻き起こしたソフトバンクですが、米スプリントの買収あたりから海外に目が向き過ぎではないか、との批判もありました。
22日の株主総会では「最近、おとなしすぎるのではないか。チャレンジャー精神を持ってもらいたい」との質問も飛び、宮内副社長が「ワイモバイルとの2ブランド体制で経営し、ワンキュッパなどでスマホの新規シェア向上を狙っている。思い切ってやっていく」と答える場面もありました。
今回の動きを契機に、ソフトバンクが今後、どんな動きを見せるのか、注目が集まりそうです。
Source:ソフトバンク プレスリリース(1、2), ケータイWatch
Photo:ソフトバンク, 同社株主総会
(hato)