Google、Androidの最新版配布に非協力的なメーカーのリストを公開へ!
Googleは、Androidスマートフォンの最新バージョンOSの配信に協力的でない端末メーカーのリストを公表する方針です。古いバージョンを使い続けることで生じるセキュリティ問題に対処したい考えです。
Androidの最新バージョン利用率はわずか7.5%、iOSと対照的
Android OSの最新版「Marshmallow」の普及率は7.5%にとどまっており、2014年公開の「Lollipop」が35.6%、2013年の「KitKat」が 32.5%と、2年以上前のOS利用者が大半を占めています。
iPhoneなどiOSデバイスでは最新版の「iOS9」の利用率が84%に達するのとは対照的です。
これは、AppleがOSと端末を一貫して開発しているのに対し、Androidの場合はOSと端末メーカーが異なることに原因があります。
端末メーカーとしては、ユーザーが最新OSにアップデートするのではなく、最新の端末に買い替えてくれないと利益が出ないため、OSのアップデートには消極的になりがちです。
また、通信キャリアも、数多くあるAndroid端末に最新OSがインストールされた場合のネットワークへの影響の検証に時間をかけすぎる傾向があります。アメリカの大手キャリアのVerizonは、検証作業に数ヶ月を要しています。
最新版のOSを使わないことで、ユーザーはセキュリティ上の脅威にさらされることとなります。オランダでは、OSのアップデートを怠っている、として消費者団体がサムスンに対して訴訟を起こしています。
Googleがついに強硬策へ
「Androidはセキュリティが弱い」と連想されてしまう状況に、Googleは危機感を抱いています。
そこで、OSのバージョンアップに消極的な端末メーカーのリストを公表する、という強硬策に出る方針に決めました。
リストは、Googleがメーカー各社と共有した上で公開する方針で、「アップデートに消極的なメーカー」として公開されれば影響が大きいだけに、メーカーがアップデートに積極的に取り組むようになることをGoogleは期待しています。
Googleの取り組みは難航か
しかし、Googleの取り組みは難航が予想される、とBloombergは懐疑的です。数多く発売された過去の端末について、最新OSでの動作検証を行なうには、端末メーカーに大きなコスト負担となり、大手はともかく、中堅以下のメーカーは対応できない可能性もあります。
スマートフォンの世界的普及に伴い、セキュリティの重要度が増す中、Googleの取り組みが成果を挙げられるか、そして公表されるリストに注目が集まりそうです。
Source:Bloomberg
(hato)