Mac出荷減なのにシェア拡大?世界PC市場20%減の異変

世界のパソコン出荷台数が2026年第3四半期(7月〜9月)に前年同期比20.1%減少する中、AppleのMacも11.3%減となりました。しかし、Appleの市場シェアは8.5%から9.5%に拡大しています。背景にあるのは、メモリ価格の高騰とメーカーによる在庫確保の動きです。IDCの調査結果から減少の原因を探るとともに、9月発売の新型Macや10月下旬に登場が噂される新製品との関係を考えます。
Macの出荷台数11.3%減でも、シェアは9.5%に拡大
市場調査会社IDCが10月8日に発表した暫定調査によると、2026年第3四半期の世界のパソコン出荷台数は約6,270万台で、前年同期の7,850万台から20.1%減少しました。

AppleのMacも前年同期の約670万台から590万台へと11.3%減少しましたが、市場全体よりも減少幅が小さく、シェアは8.5%から9.5%に拡大しました。世界4位を維持しています。
IDCによる、主要メーカーの2026年第3四半期の出荷状況は以下のとおりです。
| メーカー | 出荷台数 | シェア | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| Lenovo | 1,490万台 | 23.8% | -22.6% |
| HP | 1,030万台 | 16.5% | -30.9% |
| Dell | 760万台 | 12.1% | -25.0% |
| Apple | 590万台 | 9.5% | -11.3% |
| ASUS | 550万台 | 8.7% | -8.6% |
| 市場全体 | 6,270万台 | 100% | -20.1% |
Lenovo、HP、Dellはいずれも20%以上減少しました。上位5社で最も減少率が小さかったのはASUSの8.6%減で、Appleがこれに続いています。
Macの出荷台数は減少したものの、市場全体や上位3社と比べて落ち込みが小さかったことで、Appleの市場シェアは1.0ポイント上昇したことになります。
なお、IDCの出荷台数には販売店などへの出荷も含まれるため、実際に消費者が購入した台数とは異なります。
世界PC市場20%減、メモリ高騰と出荷前倒しの反動
IDCは、パソコン市場が大幅に縮小した原因として、メモリ価格の上昇や部品の供給制約に加え、メーカーや販売店が出荷・仕入れを前倒しした反動を挙げています。
AIデータセンター向けの需要拡大によってメモリなどの部品価格が高騰する中、メーカーや流通業者は値上がり前に在庫を確保していました。
その反動で第3四半期には新たな出荷が減少し、例年は第2四半期より多い出荷台数が、今年は逆に9.1%減少しました。
メモリ不足はAppleにも無関係ではありません。iPhone Maniaでは今年5月、Mac miniやMac Studioの一部RAM構成が選べなくなったことを報じています。
IDCは、販売店が在庫を減らすために一時的な値引きを実施する可能性を指摘する一方、パソコンの価格が前年の水準に戻るとは予想していません。
MacBook Neoや新型Mac miniの影響は?
Appleは2026年3月11日、99,800円からのMacBook Neoに加え、M5搭載MacBook Air、M5 Pro/M5 Max搭載MacBook Proを発売しました。
パソコンの価格高騰が続く中、低価格のMacBook Neoは注目を集めました。
iPhone Maniaが3月に実施した451人を対象とする読者アンケートでは、MacBook Neoの魅力として「価格」を挙げた回答者が81.4%に達しています。一方、購入については40.6%が実機やレビューを見てから判断すると回答していました。
さらにAppleは8月25日、M6搭載Mac miniやM5 Ultra搭載Mac Studioなどを発表し、9月22日に発売しました。
ただし、発売から第3四半期末までは9日間しかありません。IDCの出荷台数には発売前の流通向け出荷も含まれるため、新型モデルの影響がどこまで反映されたかは判断できません。
また、IDCはMac全体の出荷台数を公表しているものの、モデル別の内訳は明らかにしていません。今回の数字だけで、MacBook Neoや新型Mac miniの販売が好調だったかどうかを判断することはできません。
なお、例年より早い時期にMac miniとMac Studioが発表された背景には、企業によるAI用途での需要拡大があるとも報じられています。
10月下旬の新型MacBook Pro投入で巻き返すか
Appleは10月27日前後にも、新型Macを発表すると噂されています。
Bloombergの報道によると、タッチスクリーン対応の有機EL(OLED)ディスプレイを採用したMacBook Proに加え、M6搭載14インチMacBook ProやiMacなどが登場する見込みです。
今回のIDC調査は9月末までが対象であり、10月の新製品は含まれていません。
第4四半期には、9月発売のMac miniやMac Studioに加え、今後登場する新型Macが出荷台数に与える影響も見えてくるでしょう。
ただし、メモリ価格の高騰や部品の供給制約は続いており、IDCは景気の悪化によって2027年にかけて市場環境がさらに厳しくなるおそれがあると指摘しています。
今回、Appleは市場全体よりも小幅な減少にとどまり、シェアを拡大しました。しかし、出荷台数そのものは前年を下回っています。
世界のPC市場が縮小する中、秋の新製品投入によってAppleが第4四半期に出荷台数を回復できるかが焦点となります。

