Apple Fitness+で人員削減〜Time to Walkなど新作は配信減か

AppleがApple Fitness+の担当者を数名解雇したと、Bloombergのマーク・ガーマン記者が報じました。対象にはTime to Walkなど音声コンテンツの担当者も含まれ、新作の配信頻度は下がる見通しです。社内では大幅な変更の始まりとされる一方、サービスは現時点で打ち切りの対象ではないと同記者はみています。
Apple Fitness+の音声担当者を解雇
Apple Fitness+は、Appleが提供するワークアウトやメディテーションのサブスクリプションサービスです。Apple Watchと連携すると、心拍数や消費カロリーを画面に表示しながら運動できます。日本でも2026年1月21日に提供が始まりました。
ガーマン記者は現地時間9月20日のニュースレター「Power On」で、AppleがFitness+の従業員を「数名(a handful)」解雇したと伝えています。解雇された従業員には、Time to WalkやTime to Runといった音声ガイド付きセッションの担当者が含まれていました。
Time to Walk(日本語名は「ウォーキングの時間」)は、ゲストの話を聞きながら歩くための音声コンテンツで、iPhoneとApple Watchで利用できます。ガーマン記者によると、新作の配信は止まらないものの、頻度は下がる見通しです。
社内ではコスト削減の始まりとの見方
ガーマン記者によると、Fitness+の組織内では今回の解雇が今後数カ月から数年にわたる大幅なコスト削減と変更の始まりと受け止められています。サービスには相当なコストがかかり、常に新作が求められ、解約率も高いことから、削減の対象にしやすいという見立てです。
一方で、同記者はサービスが現時点で打ち切りの対象になっているとは考えていないと書いており、Fitness+がすぐに終了するわけではないとみられます。9to5MacやMacRumorsの報道には、Appleのコメントは含まれていません。
反対の見方もあります。AppleInsiderは報道を「大げさ」と評し、Appleはスタジオを所有し、カメラの費用も購入かリースかを問わずすでに発生しているため、数名を減らして浮く費用はわずかだと指摘しました。同メディアは、新作が求められるなかで人員を減らすのは現実的ではないと主張しています。
2025年秋から見直しが続いていた
Apple Fitness+は、今回の報道の前から見直しの対象になっていました。2025年11月にはガーマン記者が、Fitness+をAppleの「最も弱いデジタルサービス」の1つと呼び、解約率の高さと、収益が伸びにくいことを課題に挙げています。
Fitness+のこれまでの経緯は次の通りです。
| 時期 | イベント |
|---|---|
| 2020年12月14日 | 米国など6カ国で提供開始 |
| 2025年10月 | HealthとFitness+の部門が、サービス担当のエディ・キュー上級副社長の配下に移ると報道 |
| 2025年11月 | ガーマン記者が「見直し中」と報道 |
| 2026年1月21日 | 日本で提供開始 |
| 2026年9月20日 | 音声コンテンツ担当者の解雇を報道 |
2025年11月の報道では、熱心な利用者がいるため、終了すれば反発が大きいとして、Appleは打ち切りに慎重だとも伝えられていました。今回の人員削減も、サービスを続けながら費用を抑える動きとして報じられています。
国内の加入者への影響は?
日本のApple Fitness+は月額980円、年額7,800円です。日本語字幕に加え、各トレーナーの声をもとにした日本語の翻訳音声にも対応しています。その自然な仕上がりは、日本上陸時の体験レポートでも紹介しました。
日本版の「ウォーキングの時間」には、渡辺直美さんと山下智久さんが登場しています。ただし、今回の解雇が日本で提供されるエピソードの配信ペースに影響するかは明らかになっていません。
iPhone Maniaの読者調査では、開始直後に回答者の16.3%が登録し、登録者の77.8%が満足と答えていました。一方、利用を迷う人や利用しない人が挙げた理由で最も多かったのは「月額料金が割高」(37.9%)です。
新作の数が減れば、月額料金に見合うかを改めて考える加入者も出てくるかもしれません。今後は、日本で提供される「ウォーキングの時間」など音声コンテンツの新作がどのくらいのペースで届くかに加え、報道にある大幅な変更の中身が焦点になりそうです。
Source: Bloomberg,9to5Mac
Photo: Apple

