折りたたみOLED搭載MacBookは開発中止?iPad Air向けOLEDに新情報

Appleが、対角16.1インチ〜18インチの折りたたみOLEDディスプレイを搭載するMacBookの開発計画を中止したと、市場調査会社が報じています。
あわせて、OLEDディスプレイ搭載iPad AirやMacBook Proのサプライチェーンに関する将来予測も伝えられました。
iPad AirやMacBookシリーズへのOLED搭載計画
市場調査会社Omdiaが、Appleが開発中とされるOLEDディスプレイ搭載製品と、そのサプライヤーに関する予測を伝えました。
今回Omdiaが示した主な内容は、次の通りです。
- iPad AirとMacBook Pro向けOLEDディスプレイのサプライチェーンに、将来的に中国BOEが参入
- OLEDディスプレイ搭載MacBook Proの仕様を変更
- 対角16.1インチ〜18インチの折りたたみOLEDディスプレイを搭載するMacBookの開発計画を中止
iPad Air向けOLEDは2社が供給か
iPhone向けOLEDディスプレイの供給枚数が減少しているBOEにとって、iPad AirやMacBook Pro向けOLEDディスプレイのサプライチェーンに加わることができれば、Apple向け取引額の回復につながります。
これらのモデル向けOLEDディスプレイの出荷枚数は、同社が現在供給しているiPhone16eやiPhone17e向けより少ないと予測されます。その一方で、パネルサイズが大きく、仕様も異なるため、1枚あたりの卸価格は高くなる見込みです。
OLEDディスプレイ搭載iPad Airの発売予想時期は2027年で、Samsung DisplayとBOEの2社が製造を担うとの見通しをOmdiaは伝えています。
搭載されるOLEDディスプレイは噂通り、発光層が1層の構造になるとみられます。この点で、2層構造のタンデムOLEDを採用するiPad Pro向けパネルとは差別化される見込みです。
BOEはPro向けにも参入か
MacBook Pro向けOLEDディスプレイは、まずSamsung Displayが独占供給するとみられています。その後、BOEがAppleの要求品質を満たした場合、サプライヤーとして追加される可能性があります。
ただし、MacBook Pro向けOLEDディスプレイの仕様は低温多結晶酸化物(LTPO:Low Temperature Polycrystalline Oxide)-OLEDで、BOEがAppleに供給した実績を持つ多結晶低温ポリシリコン(LTPS:Low Temperature Polycrystalline Silicon)-OLEDと比べ、製造には高い技術力が要求されます。
さらに、MacBook Pro向けパネルはRGBタンデムハイブリッドOLEDになると予測されています。この場合、赤、緑、青の発光層を縦方向に複数組み合わせる高度な構造になるとみられ、BOEがAppleの品質基準を満たせるかが課題になります。
BOE追加の狙いとは
Appleにとって、BOEをサプライチェーンに加えることは、Samsung Displayなど既存サプライヤーとの価格交渉を有利に進める材料になります。BOEの供給量が限定的であっても、競合サプライヤーが存在すること自体が、Appleの交渉力を高めます。
iPhone15向けOLEDディスプレイのように、BOEの供給分が補修用にとどまる場合でも、他社の供給機会は減少します。そのため、AppleはBOEを主力サプライヤーとしてだけでなく、価格競争と供給分散のための選択肢として活用する狙いがあると考えられます。
折りたたみMacBookは中止との予測
Omdiaは、Appleの将来のOLEDディスプレイ搭載MacBookに関する予測も伝えています。
同社によれば、対角16.1インチ〜18インチの折りたたみOLEDディスプレイを搭載するMacBookの開発計画は中止されたとのことです。さらに、14.4インチおよび16.1インチOLEDディスプレイ搭載MacBookの開発計画の一部も中止されたとされています。
ここではMacBook ProではなくMacBookと記されているため、MacBook Proとは異なる廉価モデル、またはMacBook AirのOLEDディスプレイ搭載モデルを指している可能性もあります。
13.8インチMacBookを開発、その正体は?
折りたたみOLED搭載MacBookとは別に、発光層が1層のハイブリッドOLEDディスプレイを搭載する13.8インチMacBookが、2029年に発売される可能性があるとのことです。
このモデルがMacBook Airを指すのか、標準Mシリーズを搭載するMacBook Proを指すのかは不明です。仮にMacBook Proとして投入される場合、搭載チップやディスプレイ仕様で上位モデルとの差別化が図られる可能性は考えられないでしょうか。
現行のMacBook Proでは、M5搭載モデルが14インチのみ、M5 ProおよびM5 Max搭載モデルが14インチと16インチの2サイズで展開されています。
現在はディスプレイ種別がミニLEDで共通ですが、将来的にはチップ構成に加えて、OLEDパネルの構造でも差別化される展開があるかもしれません。
現実になれば、標準Mシリーズを搭載するMacBook Pro向けOLEDディスプレイには発光層が1層のハイブリッドOLED、ProチップおよびMaxチップを搭載するMacBook Pro向けには、RGBタンデムハイブリッドOLEDが採用されることになります。
なお、13.8インチMacBook向けOLEDディスプレイの開発は、Samsung DisplayとBOEに加え、LG Displayにも依頼されているとされています。
14/16インチMacBook Proの見通しは明るい
OLEDディスプレイ搭載MacBookやMacBook Airの将来が不透明な一方で、14.3インチおよび16.3インチOLEDディスプレイ搭載MacBook Proの計画は継続している模様です。こちらについては、現時点で大きな混乱は伝えられていません。
iPad ProとMacBook Pro向けOLEDの改良計画
Omdiaは、将来的にiPad ProとMacBook Pro向けOLEDディスプレイに、CoE(Color Filter on Encapsulation)技術が採用されると予測しています。
CoEは、偏光板を不要にすることで、パネルの薄型化や光利用効率の向上に寄与する技術です。偏光板を省略できれば、ディスプレイの消費電力低減や輝度向上にもつながります。
BT2020色域95パーセントへ
Appleは、BT.2020規格の色域で95%をカバーするOLEDディスプレイの採用を、24インチiMac向けに計画しているとされています。その実現に向けて、緑色の蛍光発光材料が使われる可能性があります。
BT.2020は、映像制作や高品質コンテンツ表示で重要な広色域規格です。MacBook ProやiMac向けOLEDがBT.2020の95%をカバーできれば、写真編集、映像制作、HDRコンテンツ表示などで、より高い表示品質が期待されます。
Photo: Apple Hub/Faccebook
