イーロン・マスク氏が共感!クックCEO語ったiPhoneを中国で作る理由
Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)が、iPhoneなどの製品を中国で製造する理由を語った約7年前の動画に、Appleに批判的な言動が目立つイーロン・マスク氏が共感を示し、注目を集めています。Appleは現在、中国からインドやベトナムなどへの製造拠点移転を加速させています。
ティム・クックCEOが語った、中国で製造する理由
Appleのティム・クックCEOが、Appleが中国に製造拠点を置く理由について語る古い動画が、X(旧Twitter)に投稿されました。
2017年12月に中国南部の広州市で開催されたFortune Global Forumで撮影されたとみられる映像でクック氏は、中国で製造する理由について、人件費が安いという理由は完全に過去のものであり、本当の理由は高度なスキルを持つ人材が数多くいるからだ、と語っています。
中国で開催されたイベントでのリップサービス的な発言であることを差し引いても、2017年にAppleは現在のように脱・中国の動きを本格化させていなかったことを考慮すると、当時としては本心を語っているように思えます。
イーロン・マスク氏のコメントで注目集まる
この動画に、イーロン・マスク氏が「True(本当だ)」と反応したことから、このポストは650万回以上表示され、2,000件以上のコメントがつくなど、話題となっています。
コメントには、Appleなどのアメリカ企業が安価な労働力を求めて中国に進出した結果、中国の産業スパイに技術力を盗まれたという指摘や、Appleは中国の人件費高騰を受けて他の国に移っているだけだ、などの議論が巻き起こっています。
マスク氏は、これまでAppleに批判的な発言を繰り返しており、最近ではApple IntelligenceへのChat GPT統合に強く反発し、同氏の経営するX、Teslaなどの企業からApple製品を排除する、と発言しています。
iPhone16シリーズはインドでの製造強化
アメリカと中国の政治的緊張の高まりや、コロナ禍でのロックダウンを経験したAppleは最近、中国に集中していた製造能力をインドやベトナムなどにシフトさせる動きを加速させています。
それでも、中国に構築されたサプライチェーン網の強固さや中国政府との関係から、脱中国は簡単ではないとの指摘もあります。
日本時間9月10日午前2時からの新製品発表イベント「It’s Glowtime.」での発表が確実視されるiPhone16シリーズでは、インドでの製造が拡大する模様です。従来からインドで製造していたスタンダードモデルに加えて、ハイエンドモデルのiPhone16 Proもインドでの製造すると報じられています。
Source: Historic Vids(@historyinmemes)/X via PhoneArena, ChinaDaily