セキュリティ研究者、Face IDの突破に関する発表を取り下げ


 
Face IDの突破の仕方を披露する予定だった、中国のセキュリティ研究者ウィシュ・ウー氏が、3月にシンガポールで開催される情報セキュリティのイベントBlack Hat Asiaでの発表を取り下げたことが明らかになりました。

認証の仕組みに関する研究が未完成だから?

Face IDは、iPhone X以降のiPhoneに搭載されているTrueDepthカメラを使った顔認証で、100万人に1人の確率でしか突破されることはないといわれています。5万人に1人の確率で突破されてしまう指紋認証のTouch IDと比べても格段に高セキュリティであることが伺えます。
 
セキュリティ研究者のウー氏は、「強固なFace IDを迂回する:誰でも深度・赤外線カメラとアルゴリズムを騙すことができる」と題した発表を行う予定でしたが、ウー氏の雇用者のAnt Financialが発表を取り下げるよう要請した模様です。
 
Face IDを含む顔認証を使ったAlipayの支払いシステムを提供するAnt Financialは、「Face IDの認証の仕組みに関する研究は未完成であり、発表された場合誤解を招く」とコメントしています。

Face IDの突破事例は過去にも

Face IDの突破は、2017年にベトナムのサイバーセキュリティ企業Bkavが200ドルの3Dマスクで成功しており、YouTubeに動画を投稿しています。
 
Black Hat Asiaでの公開が取り下げられたウー氏の発表概要には、一般的な白黒プリンターで印刷された画像とテープでFace IDの突破が行えると記載されていたようですが、ウー氏によれば、iPhone Xのみの突破に成功したとのことで、iPhone XSとXS Maxではうまくいかなかったことを認めています。
 
 
Source:Reuters
Photo:Apple
(lexi)

この記事がお役に立ったらシェアお願いします

この記事を書いた人

ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

特集

目次