「革命的」Essential Phone、次期モデル開発を中止、会社売却の噂も

Essential Phone

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「Android」の父として知られるアンディ・ルービン氏が開発を主導、「革命的」ともいわれたスマートフォンEssential Phoneの次期モデルの開発が中止されたようです。同時に会社そのものの身売りの噂も浮上しています。

全ての資産の売却を検討中か

Bloombergによれば、ルービン氏が昨年創業したばかりのEssential Productsは、売却のアドバイスを得るためにCredit Suisse Groupと契約、すでに少なくとも1社から申し入れがあったとのことです。
 
Essential Productsは、Amazon、Tencent、Redpoint Venturesを含む複数の投資家から約3億ドル(約328億円)の出資を受けており、Equidateの見積もりによれば、約1年前時点での同社の企業価値は9億〜10億ドル(約984億〜1,094億円)です。
 
またFoxconnとしても知られるHon Hai Precision Industryからは、昨年発売したEssential Phoneの製造で協力を得るとともに出資も受けています。関係者によればEssentialは初代スマートフォンの開発に、出資で得た金額の3分の1に相当する1億ドル以上を投じたといわれています。
 
同社は現在、特許ポートフォリオ、初代Essential Phoneを含むハードウェア製品、今後開発予定のスマートホーム機器やスマホアクセサリーのカメラなどを含む、すべての資産の売却を検討していますが、まだ売却に踏み切るかどうかの最終決断には至っていないようです。

強気の価格設定で売上が伸び悩む

Bloombergによれば、Essential Phoneは昨年8月に鳴り物入りで発売されたものの、カメラの品質の低さやタッチスクリーンの問題などが指摘され、評価はいまひとつでした。また699ドル(約7.6万円)という強気の価格設定も災いしたのか、当初の価格では2万台しか売れていなかったとの証言もあるほどです。
 
昨年10月に200ドルの値下げを敢行してからは売上も伸び、現在までに少なくとも15万台を販売したとされています。
 
またEssentialは社内でも問題を抱えており、役員クラスを含む相当数の技術者が退職しています。

 
 
Source:Bloomberg via AppleInsider
(lunaic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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