パリ協定離脱決定にAppleティム・クックCEO「私たちは決して揺るがない」

Apple ティム・クックCEO

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ドナルド・トランプ米大統領が、地球温暖化防止の国際的枠組みであるパリ協定からの離脱を発表しました。これに対し、Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)は「私たちの星にとって間違ったことだ」とTwitterで語ったほか、従業員に向けてメッセージを送っています。

ティム・クック氏「私たちの星にとって間違ったこと」

トランプ大統領が、パリ協定からの離脱の意向を示した際、ティム・クックCEOはホワイトハウスに電話して再考を促したほか、トランプ政権のアドバイザーをつとめるTeslaのイーロン・マスクCEOは離脱が実行されればアドバイザーの職を辞すると語っていました。
 
また、AppleやGoogleなどアメリカの主要企業25社が連名で、米有力紙に全面広告を出してパリ協定への加盟継続を求めていました。
 全面広告

 
経済界からの働きかけにもかかわらず、トランプ大統領はパリ協定からの離脱を発表しました。マスク氏は、予告どおり大統領のアドバイザーを辞任したことを明かしました。
 

 
ティム・クック氏は、Twitterで以下のように語っています。
 

パリ協定からの離脱という決定は、私たちの星にとって間違ったことだ。Appleは気候変動防止に取り組み続けるし、私たちは決して揺らがない。

 

クック氏に対し、大統領諮問機関からの離脱を求める多くの声

クック氏のメッセージに対し、Twitterユーザーからクック氏に、テクノロジー企業経営者らによる諮問機関を辞任することを求める、以下のようなコメントが数多く寄せられています。
 
「もしAppleが大統領諮問機関を脱退すれば、非常に強い意思表示になるだろう。立ち上がり、正しいことをする時だ」
 


 
「ティム、諮問機関を辞任して」
 


 
「諮問機関を脱退し、大統領に明確なメッセージを送ってください」
 

全従業員にメッセージ「私たちは決して揺るがない」

米メディアMashableは、ティム・クック氏が、Appleの従業員に以下のメッセージを送った、と伝えています。
 

皆さん
 
多くの皆さんが、アメリカのパリ協定からの離脱決定というホワイトハウスによる決定に対し、私と同じように失望していることと思います。火曜日、私はトランプ大統領と話し、アメリカがパリ協定にとどまるよう説得に努めました。しかし、それは十分ではありませんでした。
 
気候変動は現実の問題です。私たち全員に、それを防ぐ責任があります。今日の決定が、Appleの環境保護の努力に一切影響を与えないことを保証します。私たちは、ほぼ全ての企業活動を再生可能エネルギーで行っています。これは、地球のためにもビジネスとしても好例であると確信しています。
 
私たちは、資源を完全に循環させ、最終的に資源採掘を不要にするという野心的な取り組みに向けて努力を続けます。私たちは、サプライヤーがクリーンエネルギーを活用できるよう支援し、ともに努力を続けます。そして、私たち自身はさらに高みを目指します。私たちと、世界中の数多くの人々が良い行動をしていると分かるからこそ、この星の将来について楽観的でいられるのです。
 
私たちの使命は常に、世界を前よりも良いものにして残すことです。私たちは決して揺るがない。なぜなら、将来の世代は私たちにかかっているのだから。
 
皆さんの努力は、これまでも現在も、等しく大切なものです。毎日、違いを生み出すための貢献をありがとう。
 
ティム

 
 
Source:Mashable
Photo: C2ES
(hato)

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この記事を書いた人

2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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