もし米大統領候補のトランプ氏が当選すればiPhoneの価格は2倍以上に高騰?

iPhone6s

Trump
 
共和党の大統領候補の一人、ドナルド・トランプ氏は先日「Apple製品をアメリカで製造させるようにする」と講演で述べました。この荒唐無稽な発言はニュースになり、世界中に伝えられました。
 
iPhone Maniaでもこの発言をお伝えしましたが、CNETでは実際にiPhoneをアメリカで製造した場合、どのくらいの価格になるか計算しています。

 

人件費は少なくとも2倍に

apple  中国 foxconn シェア 売上 iphone 下取り 仕組み

 

現在、中国ではFoxconnの労働者が月400ドル(約4.7万円)でiPhoneの組み立てを担っています。それを米国で最も低い最低賃金であるジョージア州かワイオミング州で製造すれば、時給5.15ドル(約600円)で作ることになり、週40時間労働で労働者の月給は824ドル(約9.6万円)になります。

 

最低賃金で、精密機械の組み立てを素早くこなせる大量の労働者を集められるとは考えられませんが、それでも中国の人件費の2倍以上の額になります。Appleの本社のあるカリフォルニア州(最低時給が9ドル=約1,050円)で製造すれば月給は1,400ドル(約16.4万円)にも達し、3倍以上の人件費が必要になります。

 

専門家はそうした背景から、もし米国でiPhoneを製造するなら、少なくとも現在のiPhone6sの価格(650ドル=約7.6万円)の2倍、1,300ドル(約15.2万円)以上の販売価格になると予想しています。

15万円のiPhone、あなたは買いますか?

日本での販売価格も高騰するでしょう。1ドル117円で計算しても一番安いモデルで15万円となり、そんな高価なiPhoneが今のように飛ぶように売れるとは思えません。トランプ氏の政策が実施されれば世界中で同様の値上げとなり、結果としてiPhoneは売れなくなるでしょう。

 

iPhoneが売れなければ、Appleの株価は下がり、業績は悪化し、アプリ市場や周辺機器市場なども縮小するでしょう。甚大な影響がアメリカにも及ぶことになりそうです。それでもトランプ氏は「アメリカ製のApple」にこだわるのでしょうか。
 
 
Source: CNET
(KAZ)

この記事がお役に立ったらシェアお願いします

この記事を書いた人

特集

目次