任天堂のゲームエミュレータ「Delta」、Adobeのロゴにそっくりと訴えられかける

4月のApp Storeのガイドライン改訂によりゲームエミュレータアプリのストア掲載が認められるようになったことで、すでにいくつかの主要アプリが登場してきていますが、任天堂ゲームのエミュレータとして最も注目を集めている「Delta」がロゴをめぐってAdobeと多少揉めたようです。
少し変えただけのコミカルなロゴが発表
満を持して登場したゲームエミュレータアプリ「Delta」でしたが、アプリロゴがAdobeのものと似ているとして、商標権侵害が疑われた模様です。

エミュレータの開発者のライリー・テスタット氏が開設したサードパーティーアプリストア「AltStore」はMastodonアカウントで、「緊急アップデートをリリースした」とロゴ変更についてフォロワーに知らせています。
「Delta」の新たなロゴは、これまでのロゴの上半分を切り崩して右側に設置しただけ、といったような少しコミカルなテイストに仕上がっています。
Adobeは悪気があって行動を起こしたわけではない?
今回の商標権侵害の件について、Adobeはインディーズ開発者に対してかなり威圧的な態度をとったかのように一見思われますが、米国特許商標庁(USPTO)によれば、商標の権利者は商標を商標権を行使する義務があり、これを怠ると商標権を失う可能性があるとのことです。
それゆえ、小さな開発者に圧をかけたわけではなく、あくまで義務としてAdobeは行動を起こしたと推察されます。
DeltaロゴのほうがAdobeよりも先駆けていた?
iPhone Mania読者の情報によれば、Deltaのアプリロゴは2019年からAltStoreですでに使用されていたとのことで、Adobeがブランディングを現在の三角形ベースのものに刷新した2020年よりも先駆けていたことになります。
今回の件は、仮にロゴを先に使用していたとしても、商標登録を持つ者がより多くの権利を有するという一例なのでしょうか。どちらにしても、AdobeからDeltaに対して圧力がかけられたことは間違いないようです。
Source: AltStore/Mastodon via MacRumors, Adobe