米司法省がAppleを反トラスト法違反で提訴。Appleは「積極的に抗弁する」と宣言

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昨日報じられた通り、米司法省は現地時間3月21日、Appleを独占禁止法(反トラスト法違反の疑いで提訴したと発表しました。訴状では、同社がiPhoneとその閉鎖的なエコシステムによって、スマートフォン市場を違法に独占していると主張しています。

MacRumorsなどのメディアに送った声明の中でAppleは、この訴訟は「事実と法律に照らして間違っている」とし、「積極的に抗弁する」と宣言しました。

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Apple、「積極的に抗弁する」と宣言

Appleの声明は、次の通りです。

Appleでは、人々に愛されるテクノロジーを作るために日々、革新を続けています。シームレスに連携し、人々のプライバシーとセキュリティを保護し、ユーザーに魔法のような体験を提供する製品をデザインしています。今回の訴訟は、激しい競争の中でApple製品を際立たせている私たち自身と、その理念を脅かすものです。もし、この主張が認められれば、ハードウェア、ソフトウェア、サービスが交差する、人々がAppleに期待するテクノロジーを生み出す私たちの能力を妨げることになるでしょう。また、政府が人々のテクノロジーの設計に大きな影響力を持つことになるという、危険な前例を作ることになります。私たちは、この訴訟は事実と法律に照らして間違っていると考えており、これに対して積極的に抗弁していきます。

訴状は21日、米司法省と16の州・地区検事総長によって、ニュージャージー州の連邦裁判所に提出されました。Appleは、シャーマン法を含む米国のさまざまな連邦および州の反トラスト法に違反したとして提訴されています。

司法省、Appleの反競争的行為を指摘


司法省はプレスリリースで、次のようにAppleの反競争的行為を指摘しました。

  • 革命的なスーパーアプリを制限:Appleは消費者が競合するスマートフォンプラットフォーム間で簡単に乗り換えができるよう幅広い機能を備えたアプリの成長を阻害している。
  • モバイルクラウドストリーミングサービスの制限:Appleは、消費者が高価なスマートフォンのハードウェアを購入することなく、高品質なビデオゲームや、その他のクラウドベースのアプリケーションを楽しむことができるクラウドストリーミングアプリやサービスの開発を妨害した。
  • クロスプラットフォームのメッセージングアプリの排除:Appleは、顧客がiPhoneを購入し続けなければならないよう、クロスプラットフォームメッセージングの品質を悪化させ、革新性を低下させ、ユーザーにとっての安全性を低下させた。
  • Apple以外のスマートウォッチの機能の制限:Appleは、サードパーティーのスマートウォッチの機能を制限しているため、Apple Watchを購入したユーザーは、iPhoneを購入し続けなければ、多額の費用を負担することになる。
  • サードパーティー製デジタルウォレットの制限:Appleは、サードパーティー製アプリがTap to Pay機能を提供できないようにしており、クロスプラットフォームのサードパーティー製デジタルウォレットの開発を阻害している。

司法省はまた、Appleの反競争的行為は、「Webブラウザ、ビデオ通信、ニュース購読、エンターテインメント、自動車サービス、広告、位置情報サービス」などにも影響を与えていると指摘しています。

なお、反トラスト局のジョナサン・カンター司法次官補は、次のように述べています。

Appleは長年にわたり、一連の「モグラ叩き」のような規制や制限を課すことで、競争上の脅威に対抗してきました。その結果、同社は消費者からより高い価格を引き出し、開発者やクリエイターに高い手数料を課し、ライバルの技術による競争力のある代替品を制限してきました。本日の訴訟は、Appleの責任を追求し、他の重要な市場で同様の違法な戦略を展開できないようにすることを目的としています。

見解

司法省が指摘するように、確かにAppleは競合他社のアプリや製品の成長や普及を阻害している面はあるかもしれません。

しかし、10年以上、Apple製品を使い続けている筆者にしてみれば、競合他社の製品よりも優れた面が多いからこそ、同社の製品を選んでいるのであって、司法省の主張全てが認められてしまえば、Appleが指摘するように「人々がAppleに期待するテクノロジーを生み出す私たちの能力を妨げる」ことになり、Appleらしさがなくなってしまうのではないかと懸念しています。

どこまで司法省の主張が認められるのか、今後の動きに注目していきたいと思います。

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