最新A17 Proより昨年のSnapdragon 8 Gen 2の原価が23％も高い

 
iPhone15 ProおよびiPhone15 Pro Maxが搭載するA17 Proの原価を分析した結果、2022年にリリースされたQualcommのSnapdragon 8 Gen 2よりも、原価が安いということが判明しました。

■3行で分かる、この記事のポイント
1. A17 Proの原価は、昨年のA16 Bionicよりも27％上昇していることがわかった。
2. A16 Bionicの原価は110ドルで、同じ2022年リリースのSnapdragon 8 Gen 2の原価は160ドル。
3. つまりSnapdragon 8 Gen 2の原価は最新のA17 Proよりも高いことになる。

A17 Proの原価はA16 Bionicよりは高いが…

iPhone15 ProとiPhone15 Pro Maxが搭載するシステムオンチップ（SoC）A17 Proは、TSMCの3ナノメートル（nm）プロセスで生産されています。
 
昨年モデルであるiPhone14 Pro/Pro Maxに搭載、4nmプロセスで生産されたA16 Bionicよりもコストが高いのはある意味当然でしょう。
 
驚くべきなのは、A17 Proの原価が、Qualcommが2022年に発表したSnapdragon 8 Gen 2よりも安いということです。

20ドルの上昇で抑えているのは素晴らしい？

日本経済新聞の分析によると、A17 Proの原価は130ドルで、A16 Bionicの110ドルと比べ27％上昇しています。
 
これはまだ歩留まりの低いとされる3nmプロセスで生産されていることに加え、微細な回路形成に必要な極端紫外線（EUV）の露光装置の価格が高騰しているためと考えられます。
 
しかしWccftechは、Appleが20ドル（または27％）の上昇で抑えているほうが素晴らしいと評価しています。

Snapdragon 8 Gen 2の原価はA17 Proより23％高い

ここで比較対象として挙げられているのが、Qualcommが2022年にリリースしたSnapdragon 8 Gen 2です。
 
Snapdragon 8 Gen 2はA16 Bionicと同じく、TSMCの4nmプロセスで生産されていますが、A16 Bionicの原価が110ドルであるのに対し、Snapdragon 8 Gen 2の原価は160ドルと報告されています。
 
つまりSnapdragon 8 Gen 2の原価は、最新のA17 Proの130ドルよりも23％も高いということになります。

 
 
Source:Wccftech, 日本経済新聞
Photo:iFixit
(lunatic)