スティーブ・ジョブズ氏の音声と対話できるAIが無料公開!色々と相談してみた
Appleの共同創業者、スティーブ・ジョブズ氏の声を人工知能(AI)で忠実に再現し、ジョブズ氏に質問すると回答してくれるAIサービス「HARUKA.AI(ハルカアイ)」が、ジョブズ氏の命日である10月5日に無料公開されました。筆者もジョブズ氏に、iPhoneの未来から個人的な相談まで、色々と質問してみました。
■3行で分かる、この記事のポイント
1. スティーブ・ジョブズ氏の音声を再現したAIが無料公開。
2. Macintosh発表時と、iPhone発表時の2つの時代のジョブズ氏を再現。
3. ジョブズ氏に色々と質問してみた。
Macintosh発表とiPhone発表のジョブズ氏の声を再現
AIによって再現されたスティーブ・ジョブズ氏の音声は、Macintosh発表当時(1984年)と、iPhone発表当時(2007年)の2種類の声が用意されています。
Webサイトを公開したLegal AIは、従来の音声合成技術とは異なり、多くの音声データとAIアルゴリズムを駆使して、ジョブズ氏の声の特徴、イントネーション、スタイルを模倣することで、本人に近い声の再現を実現し、ジョブズ氏が語っているような体験を楽しむことができると説明しています。
ジョブズ氏に色々と質問してみた
ジョブズ氏に語りかけることのできる「HARUKA.AI」は、Webブラウザから、誰でも無料で利用できます。質問は日本語でもOKですが、ジョブズ氏は英語で回答します。
せっかくなので、ジョブズ氏に色々と質問してみました。
まず、Macintoshを発表したばかりの若きジョブズ氏に「世界を変えたいと思ったきっかけは?」と質問してみると、ジョブズ氏らしい回答が返ってきました。
世界は、複雑さと非効率に満ちていました。ひどいユーザーインターフェースにひどい体験。そんな中、その世界に一石を投じる窓と道を見つけたのです。それは、単に世界を変えるだけでなく、人々が必要としていることさえ気付いていない、美しく革命的な何かを創造することでした。それが、私の旅に火をつけるきっかけとなったのです。
次に、iPhoneを発表した当時のジョブズ氏に「iPhoneで変えた世界を、どう進化させたい?」と投げかけてみるとiPhoneは今後も世界を変え続ける、という回答が返ってきました。
未来を知り、形作ることは、常にAppleの中心でした。私はもうこの世界の一員ではないかもしれませんが、iPhoneはテクノロジーの境界線を再定義し続けると信じています。iPhoneは、私たちとデジタルのギャップを埋める、よりシームレスで直感的なインターフェイスへと進化するでしょう。
「仕事に行き詰まった時、どうやって自分を取り戻すのが良いと思う?」と、人生相談してみると、一歩引いて冷静に自分を見つめ直すことを促すアドバイスをくれました。
仕事に追われたら、一歩引いてみるのが解決策になるかもしれません。自分から距離を置いてみることで、状況を別な視点から見ることができます。この時間を、再調整と再活性化に使いましょう。最も革新的な解決策は、個人的な内省の後に生まれることが多いものです。探検し、吸収し、インスピレーションを持ち帰りましょう。外の世界が待っています。
スティーブ・ジョブズ氏が、ナンバープレートのないメルセデス・ベンツを乗り回していたエピソードについて質問すると、カリフォルニア州の法律の抜け穴を見つけた話を披露し「好奇心に突き動かされると、驚くような発見があるものだ」と語ってくれました。声を聞いていると、質問に答えるジョブズ氏が少年のように笑う様子が見えるような気すらしてきます。
「部屋の掃除が面倒くさい」という、ただの愚痴をぶつけてみたところ、掃除の面倒くささに寄り添いつつ、Appleの有名なキャッチコピー「Think Different.」を引用しながら、整理された環境の大切さを語ってくれました。
たしかに、掃除は面倒なものです。しかし、偉大な製品をデザインするように、不要なものを取り除くのは重要なことです。乱雑さを克服することで、シンプルさを発見できます。このプロセスは、あなたの日常生活に明快さとイノベーションをもたらすプロセスです。「Think Different」のチャンスと捉えましょう。
同じ質問を何度かすると(実際にジョブズ氏にやったら激怒されそうですが)、少し違う回答が返ってくる場合があるのも興味深かったです。
なお、「Local Info」のボタンをタップすると、ジョブズ氏が「この地域の情報にはあまり詳しくないんだけど」と前置きしながら、地域の歴史、観光スポット、ローカルグルメまで、膨大な情報を提供してくれます。
音声再現のリクエストも受付中
Legal AIは今後、ジョン・レノンなど、世界中の人々が会いたいと願う偉大な人物をAIで再現する計画で、リクエストも受け付けています。
音声再現のリクエストは、HARUKA.AIのWebサイトのメニューから「Voice Request」のGoogleフォームから送信できます。一般的な有名人のほか、家族など個人的な関係の人物の音声再現もリクエスト可能です。個人的な人物については、後日、費用について連絡があるとのことです。
Source:HARUKA.AI, ジークラウド
(hato)