修理用iPhoneを数万台盗んだPegatron元従業員に懲役9年の判決

Apple iPhone トレードイン

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Pegatronでの職権を悪用して25,000台以上の修理用iPhoneを盗み出し、500万ドル(約7億円)の損害を与えた事件の裁判が行われ、首謀者の男性に9年の実刑判決が下されました。

■3行で分かる、この記事のポイント
1. 修理用iPhoneを25,000台以上売り捌き、数億円を手にしていた。
2. オペレーション責任者と物流責任者とが共謀したため発覚しづらかった。
3. 偶然発覚するまでAppleもPegatronも不正には気づかなかった。

物流マネージャーを巻き込む

iPhone組み立てサプライヤーのPegatronは、アジア諸国でiPhoneの修理サービスをAppleから請け負っており、その一つがPegatron Service Singaporeです。
 
当時ここでオペレーション責任者として働いていたリム・ジェン・ヒ被告は、膨大な量の故障したiPhoneが送られてくるものの、誰も在庫を大して気にかけていないことに気づきます。
 
さっそく海外のマレーシアで買い手を見つけたリム被告は、在庫を管理する物流マネージャーのン・シュー・キアン被告と結託し、書類や在庫の数字を改ざんできる自分たちの立場を利用して、iPhoneを不正に持ち出すことに成功しました。

Appleの抜き打ち検査で偶然発覚

こうしてリム被告とン被告は、2018年1月から2019年5月にかけて100回以上に渡って、累計25,000台以上のiPhoneを海外に送り、それぞれ300万ドル(約4億2,400万円)ほどを手にしました。
 
事態が発覚したのは、Appleによる抜き打ちの査察で、たまたま在庫に計上されていないiPhoneが見つかったためです。それまでこの大掛かりな不正には、AppleもPegatronも気づいていませんでした。
 
すでにン被告は背任罪を認め、2021年に9年の実刑判決を受けていますが、計画を首謀したリ被告は今回の判決を不服とし、上訴する構えです。
 
 
Source:The Straits Times
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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