ブラジルでiPhone14の生産開始。中国依存を低減するための動きが加速

iPhone14


 
iPhoneを含むApple製品の大部分は中国で生産されていますが、同社は近年、中国依存を低減するため、サプライチェーンの多様化を進めています。そして今回、同社はブラジルでiPhone14の組み立てを開始したことが明らかとなりました。

■3行で分かる、この記事のポイント
1. AppleがブラジルでiPhone14の組み立てを開始したことが明らかになった。
2. 中国への依存度を低減するため、ブラジルでもiPhoneの生産を開始。
3. 現地の経済状況を考慮して、安価なデバイスを生産することに力を入れている。

iPhone14の生産をブラジルで開始

最近、ブラジルでブルーのiPhone14(128GB)を購入したユーザーによると、パッケージに「Assembled in Brazil」と記載されていたということです。これは、このデバイスがサンパウロ州にあるFoxconnブラジル工場で製造されていることを示しており、デバイスの部品番号の末尾も「BR/A」であることから、現地で組み立てられたことが確認できます。
 
しかし今のところ、ブラジルで組み立てられているのは通常のiPhone14だけのようで、iPhone14 PlusiPhone14 Proシリーズでは「BR/A」の識別子を持つデバイスは発見されていません。なお、ブラジルで販売されている中国から輸入されたiPhoneモデルは「BZ/A」または「BE/A」で識別されています。

iPhone13もブラジルで生産

AppleがブラジルでiPhoneを組み立てるのは今回が初めてではなく、同社は昨年、iPhone13を同国で生産しています。iPhone SEもブラジルで組み立てられていますが、これは現地の経済状況を考慮して、同社が同国で安価なデバイスを生産することに力を入れているためです。
 
ブラジルは輸入品に高い税金を課しており、その中にはAppleの製品も含まれています。そのため、製品を販売する際の税金が軽減されるため、製品をブラジルで組み立てるために投資する企業もあるということです。同国では、iPhone14(128GB)が7,599レアル(約21万円)で販売されていますが、現在は現地の小売店で、同モデルを約5,000レアル(約14万円)程度で購入できるようになっています。

Appleと中国

Appleは中国への依存度を低減するために、ブラジルでもiPhoneの生産を開始しました。中国にある同社の施設は、現地の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の封じ込め政策の影響を強く受けています。例えば、この政策による工場閉鎖に伴い、待遇に不満があるとして工場での暴動が発生し、2万人の従業員が離職しています。
 
同時に、Appleのサプライヤーに影響を与える政治的論争もあります。
 
Appleは2022年11月、投資家と顧客に対し、同年のホリデーシーズにおいて、中国の情勢によりiPhone14の出荷台数が従来の想定よりも少なくなると警告しました。その後、Appleが、インドでのiPhone生産台数を2年間で3倍に増やす計画を立てていると報じられ、最近の報道では、インドでのiPhoneの生産台数が2023年度は2022年度比で5倍になると伝えられています。
 
ブラジル国内でのiPhoneの組み立てが現地市場にのみ集中していたとしても、同国内での供給不足を回避するには十分です。今年の秋に発表されると噂されているiPhone15シリーズでは、中国とインドで同時に製造が開始されるとみられています。
 
 
Source:MacMagazine via 9to5Mac
Photo:Apple
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