有料動画サービス利用率トップはAmazon、満足度トップはU-NEXT

動画ストリーミングサービス

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ICT総研は「2023年有料動画配信サービス利用動向に関する調査」の結果を公表しました。2022年末の有料動画配信サービスの利用者数は約3,390万人で、利用者の7割はスマートフォンで視聴しています。コロナ禍を経て利用が拡大した定額制サービスの利用が定着し、今後も拡大が見込まれる一方、通信量増大に伴う懸念もあります。

有料動画配信サービスのうち、定額見放題サービスの利用率が91.5%

有料動画配信サービスのなかでも、作品単位で料金を払うペイパービュー(PPV)方式ではなく、見放題の定額制サービスの利用率が高くなっています。
 
2018年12月末には有料動画配信サービス利用者数1,750万人のうち、定額制サービスの利用者は1,480万人と約8割でした。2020年末には2,630万人のうち約9割の2,330万人、2022年末には3,390万人の約91.5%にあたる3,100万人と、割合が拡大しています。
 
ICT総研では、2025年末には有料動画配信サービスの利用者数が3,900万人に拡大、そのうち定額制サービス利用者数が約93%にあたる3,630万人になると予測しています。
 
ICT総研「2023年有料動画配信サービス利用動向に関する調査」
 

動画配信、無料サービスのみの利用者が51.5%

ICT総研は、動画配信サービスの利用状況について2023年2月21日から3月2日の期間、インターネットユーザー4,407人を対象としたWebアンケート調査を実施したところ、動画配信サービスのうち、無料サービスのみを利用しているユーザーが51.5%と約半数でした。
 
定額制サービスの利用率は28.7%、PPVサービスの利用率は3.7%で、動画配信サービスを全く利用しないユーザーも15.7%いました。
 
ICT総研「2023年有料動画配信サービス利用動向に関する調査」
 
2021年8月に同社が実施した調査では、定額制サービスの利用率が28.0%だったのと比べると、ごくわずかですが定額制サービスの利用率が上昇しています。
 
ICT総研では、無料サービスのみを利用しているユーザーが有料サービスに移行する可能性もあり、有料動画配信サービスの潜在市場は大きい、と予測しています。

高画質配信サービスの利用増で固定回線の負荷が増大

高画質動画などの大容量コンテンツの増加により、固定ブロードバンドサービスのトラフィックは爆発的に増えています。携帯電話サービスのように、固定回線サービスでも使用したデータ通信容量によって課金する構想も出ており、動画配信サービスの利用者数減少につながる可能性もあります。
 
5Gによる大容量高速通信が普及し、ユーザーの動画視聴機会が増加していることから、今後はサービスの提供形態が変わる可能性もある、とICT総研は指摘しています。

有料サービス利用率トップはAmazonプライムビデオ

有料動画配信サービスの利用者に、利用しているサービス名(複数回答可)を聞いたところ、最も多かったのはAmazonプライムビデオの69.9%で、2位のNetflix(30.1%)を大きく引き離しています。
 
3位以下は、Hulu(14.0%)、Disney+(12.1%)、YouTube Premium(11.2%)、U-NEXT(10.9%)などと続いています。なお、Apple TV+の利用率は3.3%でした。
 
ICT総研「2023年有料動画配信サービス利用動向に関する調査」
 

満足度トップはU-NEXT

動画配信サービスの利用者に、最も頻繁に利用するサービスの満足度を聞いたところ、全体平均は81.7ポイントでした。
 
最も満足度が高かったサービスは、利用率では6位のU-NEXTで、87.5ポイントでした。
 
2位はdアニメストア(84.9ポイント、利用率は8位)、3位はYouTube Premium(83.9ポイント、利用率は5位)でした。
 
利用率が最も高かったAmazonプライムビデオは、満足度では6位(80.0ポイント)となりました。
 
ICT総研「2023年有料動画配信サービス利用動向に関する調査」
 

スマホでの視聴割合は増加傾向

無料と有料の動画配信サービスを利用するのに使っている端末(複数回答可)で、最も多かったのはスマートフォン(70.5%)でした。
 
以下、パソコン(48.9%)、タブレット端末(25.9%)、テレビ(25.0%)と続きました。
 
スマートフォンの利用率は調査開始以来伸び続けており、2021年の68%から約3ポイント上昇、パソコンの利用率は2021年の55%から約6ポイント下降しています。
 
タブレットの利用率はほぼ横ばい、テレビの利用率は2021年から約3ポイント上昇しており、映画などを大画面で楽しむユーザーが増加している模様です。
 
ICT総研「2023年有料動画配信サービス利用動向に関する調査」
 

この1年で利用時間が増えたサービス、トップはYouTube Premium

有料動画サービス利用者に直近1年間での利用時間の増減を尋ねたところ、全体では57.1%と半数強のユーザーが「増えた」「やや増えた」と回答しています。
 
サービス別で、利用時間が増えた割合が最も高かったのはYouTube Premiumで、74.9%のユーザーが利用時間が増えたと回答しました。
 
逆に、利用時間が増えたという回答が最も少なかったのはAmazonプライムビデオで、46.9%と半数を切りました。
 
ICT総研「2023年有料動画配信サービス利用動向に関する調査」
 
 
Source:ICT総研
(hato)

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この記事を書いた人

2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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