Bose QuietComfort EarBuds Ⅱを他の製品と比較〜優れたANC
発売されたばかりのBose QuietComfort EarBuds Ⅱの本体カラー「ソープストーン」を購入し、Bose QuietComfort EarBuds、AirPods Pro(第2世代)、ソニー WF-1000XM4と比べてみました。
ノイズキャンセリング性能は、Bose QuietComfort EarBuds Ⅱが抜きん出ていると評価します。
Bose QuietComfort EarBuds Ⅱの改良点
Bose QuietComfort EarBuds Ⅱに新色「ソープストーン」が追加されました。
筆者が予約していた商品が到着しましたので、これまで愛用していたBose QuietComfort EarBuds、家族が使用中のAirPods Pro(第2世代)とソニー WF-1000XM4とを比較してみました。
Bose QuietComfort EarBuds Ⅱの主な改良点は、下記の通りです。
- Bose QuietComfort EarBudsのStayHear Maxチップから、スタビリティバンドに変更
- 30%小型化されたイヤーバッド、大幅に小型化された充電ケース
- アクティブノイズキャンセリング(ANC)性能の向上
- 操作性の改良
比較項目と評価点数
Bose QuietComfort EarBuds Ⅱ、Bose QuietComfort EarBuds、AirPods Pro(第2世代)、WF-1000XM4を、「装着感」「ノイズキャンセリング性能」「操作性」「音質」「大きさ」「駆動時間と充電環境」「アクセサリー」「iPhoneとの相性」の項目で比較評価しました。
装着感や音質の評価は、個人差(相性)がありますのでご了承ください。下記の評価点数は、製品による違いを明確にするためあえて差をつけています。
項目 | Bose QuietComfort EarBuds Ⅱ |
AirPods Pro (第2世代) |
WF-1000XM4 | Bose QuietComfort EarBuds |
---|---|---|---|---|
装着感 | 4 | 3 | 3 | 5 |
ノイズキャンセリング 性能 |
5 | 4 | 4 | 4 |
操作性 | 3 | 5 | 5 | 2 |
音質 | 4 | 3 | 5 | 4 |
大きさ | 5 | 5 | 4 | 2 |
駆動時間と 充電環境 |
2 | 5 | 4 | 3 |
アクセサリー | 3 | 5 | 4 | 3 |
iPhoneとの 相性 |
3 | 5 | 4 | 3 |
装着感
カナル型であるAirPods Pro(第2世代)とWF-1000XM4に対し、Bose QuietComfort EarBudsとBose QuietComfort EarBuds Ⅱはインナーイヤー型と同じような装着感で、耳の穴に深く入らず刺激が少ないのが特長です。
Bose QuietComfort EarBuds Ⅱになり、StayHear Maxチップからスタビリティバンドに変更されたことで、耳の内側への装着感は硬めになりましたが、長時間使用してもAirPods Pro(第2世代)やWF-1000XM4よりも耳の穴が痛くなりにくいのは美点です。
ノイズキャンセリング性能
AirPods Pro(第2世代)が、Bose QuietComfort EarBudsのノイズキャンセリングに並んだと感じましたが、Bose QuietComfort EarBuds Ⅱはそれを上回る性能を実現したと評価します。
Bose QuietComfort EarBuds Ⅱと、Bose QuietComfort EarBuds、AirPods Pro(第2世代)、WF-1000XM4を比較した場合、中・低音域だけではなく高音域のノイズキャンセリング性能が優れていると感じました。
実使用環境では、「地下鉄で車輪とレールが軋む音」「道路脇を通過する車のタイヤが発する高い周波数のノイズ」へのキャンセリング効果は、今回比較した製品で最も優れていました。
ただし、ノイズキャンセリングモードの自動調整機能が搭載されていないのは、WF-1000XM4よりも劣る点です。
WF-1000XM4は、音楽を聴いている最中でも声を発するだけで音楽再生を一時停止し、外音取り込みモードに切り替える「スピーク・トゥ・チャット」機能を搭載しています。
操作性
Bose QuietComfort EarBuds Ⅱはタッチ操作で音楽の「前の曲へ/次の曲へ」が選択できるようになるなど、操作性が向上しましたが、AirPods Pro(第2世代)やWF-1000XM4と比べると反応が遅い場面があり、引き続き改良が望まれます。
音質
音楽再生時の音質は、Boseらしい中・低音域を重視したものです。Bose QuietComfort EarBudsと比べた場合、静かな部屋では違いをあまり感じませんが、屋外などノイズの多い環境ではノイズキャンセリング性能が上がったことで、よりクリアに聞こえるようになりました。
音質は個々人の好みがありますが、WF-1000XM4が低音域から高音域まで伸びやかな印象があり、この点はソニーに一日の長があると感じます。
大きさ
飛び抜けて巨大だったBose QuietComfort EarBudsの充電ケースから、Bose QuietComfort EarBuds Ⅱは他の製品と同等の大きさまで小型化されました。
ただし、Bose QuietComfort EarBuds Ⅱの充電ケースの小型化は、ワイヤレス充電対応を廃止したことによる部品点数削減で実現された部分が大きいのが現実です。
イヤーバッドの体積は、WF-1000XM4と同じ程度に感じます。本体と充電ケースを含めた大きさと重さは、AirPods Pro(第2世代)が軽快です。
駆動時間と充電環境
Bose QuietComfort EarBudsの音楽再生時間は、本体のみで6時間、充電ケース併用で合計20時間でした。
Bose QuietComfort EarBuds Ⅱでは、本体のみで6時間は共通ながら、充電ケース併用で合計24時間になりました。
AirPods Pro(第2世代)は、充電ケース併用で音楽再生時間が最大30時間です。
また、WF-1000XM4は本体のみで8時間、充電ケース併用で24時間使用可能です。
AirPods Pro(第2世代)はMagSafe充電器、Apple Watch用充電器、Qi方式充電器が使えるなど、ワイヤレス充電時の使い勝手に優れています。
Bose QuietComfort EarBuds Ⅱは他の製品と異なり、USB-Cケーブルを用いた有線充電にしか対応していない点はマイナス評価です。
アクセサリー
各種アクセサリーが豊富な点は、AirPods Pro(第2世代)が抜きん出ています。サードパーティーの充電ケース用保護カバーなどは多数の製品から好みのものを選ぶことができます。
また、AirPods Pro(第2世代)とWF-1000XM4のイヤーチップが合わない場合、サードパーティーのものに交換可能です。
一方、Bose QuietComfort EarBuds、Bose QuietComfort EarBuds Ⅱの充電ケース用保護カバーは、製造元が同じと思われるノーブランドのシリコン製のものしかありません。
iPhoneとの相性
iPhoneと組み合わせて使用する場合は当然ながら、AirPods Pro(第2世代)が最も相性の良い製品です。「探す」に対応しているのも、紛失防止に効果的です。
WF-1000XM4は、専用のGoogleアプリ「デバイスを探す」を使えば、最後にAndroid端末と接続をした場所、時間を地図上で確認できます。
Bose製品には、そうした機能はありません。また、iOSアプリ「Bose Music」はイコライザーの設定など、他の製品と比べると最低限の設定項目しかありません。
ノイズキャンセリング性能と装着感重視のユーザーに最適
Bose QuietComfort EarBuds ⅡとAirPods Pro(第2世代)やWF-1000XM4を比べると、操作性や充電環境など改善すべき点が多いと感じます。
その上で筆者が本製品を選択した理由は、ノイズキャンセリング性能が最も優れており、快適な装着感により長時間使用しても耳や耳の穴が痛くなりにくいからです。
現在使用している製品のノイズキャンセリング性能に不満があり、使用中に耳が痛くなった経験がある場合は、大手家電量販店のイヤホンコーナーのデモ品などでBose QuietComfort EarBuds Ⅱを一度試してみてはいかがでしょうか。
Photo:Bose (1),(2),Apple,ソニー
(FT729)