Apple、反トラスト法の採択回避のためロビー活動に多額の出費
米国で8月にも上院で採決される可能性があるといわれる反トラスト法により、Appleを含めるハイテク大手が自社プラットフォームを使って競争相手を弱体化させることが禁止されようとしています。Appleは政治家へのロビー活動にこれまで以上に費やしており、今年上半期は過去最高の460万ドル(約6億2,600万円)に達したと報じられています。
Appleのロビー活動はある程度うまくいっている?
2021年に入ってから、Appleは反トラスト法関連の主要議員とつながりのあるロビー活動団体を新たに3つ登録しました。加えて、Appleや他のハイテク巨大企業との戦いを率いるミネソタ州選出の民主党議員、エイミー・クロブカー氏の元側近を社内に迎えるなど、ロビイストを直接議会から引き抜いているといいます。
Appleが開示した情報によれば、社内外のロビイストの名簿は2015年以降、43人から65人へと50%以上の増加がみられていますが、他の大手ハイテク企業と比べると少ないとされています。
最近、App Storeの運営が独占的なのではないかと多くの国々で精査を受けているAppleですが、米国でのロビー活動に関しては「ある程度うまくいっている」とのことで、ユーザープライバシーを守るためという大義名分で今のところ規制を回避できている状態です。
バイデン大統領との関係や冷ややか
Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)はドナルド・トランプ前大統領と親密な関係を築くようになり、問題があるときは直接電話をかけるような間柄になっていたといいます。
しかしながら、ジョー・バイデン大統領との関係構築に苦労しており、少なくとも公の場ではサイバーセキュリティの問題を議論するため以外の目的で両者の面会は実現していません。
クック氏は定期的に上院議員に電話をかけるなど、自身でもロビー活動を行っており、ここ数カ月で少なくとも2回はワシントンを訪れています。
6月にはダークスーツにネクタイ姿で上院の地下にいるのを目撃されており、モンタナ州のジョン・テスター上院議員(民主党)や、サウスダコタ州のジョン・チューン少数党幹事、アイオワ州のジョニ・アーンスト、ミズーリ州のロイ・ブラントなど多数の共和党上院議員に面会したとされています。
Source:Bloomberg
(lexi)