Apple、EUでの「Think Different」の商標権を失う
Appleは、1997年から2002年にかけて展開した広告コピー「Think Different」の欧州連合(EU)における商標権を失ったことが判明しました。
1997年に商標登録
欧州司法裁判所は現地時間2022年6月8日、Appleの「Think Different」の商標権登録を取り消したと発表しました。
Appleは1997年に「Think Different」の広告キャンペーンを立ち上げてすぐ、同フレーズをEUにおいて商標登録しました。1998年、2005年にも再登録を行っています。
この商標は、コンピュータ、コンピュータターミナル、キーボード、ハードウェア、ソフトウェア、マルチメディア製品に適用されていました。
Swatchが商標権取り消しを要求
しかしスイスの時計会社Swatchが2016年、「Think Different」の商標登録取り消しを求め、欧州連合知的財産庁(EUIPO)に3件の申請書を提出しました。
同社の言い分は「Appleは『Think Different』を5年間使用していない」というもので、3件の申請書は「Tick Different」のフレーズを使うためにAppleの商標権を取り消してほしいという内容でした。
「Think Different」は10年間使われていなかった
2018年、EUIPOはSwatchの言い分を認め、2016年10月14日をもってAppleの商標権を取り消す判断を下しました。Appleはこれに異議を唱え、2021年1月にEUIPOとSwatchを相手取り、欧州司法裁判所で提訴しました。
しかし現地時間6月8日、欧州司法裁判所はAppleの訴えを退ける判決を下しました。同裁判所は、「Think Different」はSwatchが商標権取り消しの訴えを起こすまでの10年間、ほとんど使われていなかったと説明しています。