Beatsの創業者、Appleとの買収交渉時に200万ドルを失っていた

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    トリップ・ミックル氏によるスティーブ・ジョブズ以後のAppleの歴史を振り返る著作の中で、Beatsの創業者のドクター・ドレー(Dr. Dre)氏がAppleとの買収交渉を発表前にソーシャルメディアで公にしてしまい、買収価格を200万ドル(約2億6,000万円)引き下げられてしまったことが明かされています。

    “派手なことはするな”と警告

    Beatsの買収に際して、Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)は社内で反発にあったものの、最終的にAppleは金額に合意しました。
     
    この金額は、Beats共同創業者のジミー・アイオビン氏とドレー氏には想像もつかないようなものでした。弁護士が最後の詰めの作業を行っているとき、アイオビン氏はBeatsの経営陣をビバリーヒルズの自宅に呼び寄せ、「巨額の契約が成立する直前だ。それを台無しにしかねない唯一の問題はこの話が漏れることだ」と、秘密にするよう念押ししたといいます。
     
    アイオビン氏は自身のチームに「何をするにしても、このことは決して話すな」と忠告し、ドレー氏にも「グッドフェローズ(アメリカの犯罪伝記映画)でもジミーが男たちに“毛皮を買うな”というシーンがあるだろ?」と、車も買うな、何も派手なことはするな、“動くな”と言ったそうです。

    ドレー氏には飲酒時に暴露動画を公開

    翌朝2時、アイオビン氏はドレー氏とラッパーのタイリース・ギブソン氏がFacebookに取引を暴露する動画を公開したという連絡を受けました。
     
    ギブソン氏のスタジオで、ドレー氏はハイネケンを飲みながら「ヒップホップで最初の億万長者になった」と自慢していたのです。
     
    動画を見たアイオビン氏は、すべてが無に帰したのではないかとぞっとしたといいます。

    Appleから呼び出しを食らった創業者たち

    Beats創業者の2人は、クックCEOから「プライベートな話がある」と本社に呼び出されました。このとき、アイオビン氏は契約破棄の覚悟をしていましたが、意外にもクック氏は冷静で、音楽界の重役たちに失望していること、ドレー氏のソーシャルメディアでの暴走がなければよかったとは思うが、このことがAppleがBeatsを買収することが正しいという確信を揺るがすものではなかったことを伝えたそうです。
     
    ドレー氏がやらかしたことにより、Beatsの買収価格は当初想定されていた金額から200万ドル引き下げられてしまったものの、最終的に買収は現実のものとなりました。
     
     
    Source:iMore
    Photo:Apple
    (lexi)

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