Apple、インドでのマングローブ林の保護活動を紹介

    apple インド マングローブ

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    Appleが2021年に助成したインドの環境保護団体Applied Environmental Research Foundation(AERF)のマングローブ林の保護の取り組みを紹介する記事が、同社のニュースルームで公開されました。

    ブルーカーボンとして注目されるマングローブ林

    インドのマハラシュトラ州にある活気あふれる沿岸都市ムンバイから南へ約100キロほど行ったところでは、高層ビル、レストラン、ホテル、ショッピング街などの近代的なインフラと、舗装されていない道、ヤシの木、ヤギ、荷車を引く牛、小さな露天の市場やレストランから成る田園地帯の2つの異なる世界が共存しています。
     
    ムンバイとアラビア海から枝分かれした河川網をつなぐ街、ライガット地区のアリバウグには、2万1,000ヘクタールのマングローブ林があり、予測できないモンスーンや潮位の上昇、サイクロン(ハリケーン)、津波といった気候変動の影響から地球を守る最も自然な手段のひとつであると同時に、大気中の二酸化炭素を吸収して土壌や植物などの堆積物に蓄える、ブルーカーボンとしても機能しています。
     
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    マングローブ林の回復によって得られる経済的な利益

    2021年にAppleから助成金を授与されたAERFは、マングローブ生態系の生物多様性と回復力を培うことで利益を生み出し、代替的で持続可能な産業を地域社会に作ることを目標として掲げています。
     
    Appleの環境・政策・社会イニシアティブ担当副社長であるリサ・ジャクソン氏は、「インドにおける私たちの新しいパートナーシップは、(中略)気候変動の最悪の影響から身を守るマングローブ林の回復によって、地域社会が経済的な利益を得られるようにするものです」とコメントしています。

    マングローブはスポンジのようなもの

    内陸の小さな村であるカランジベーラ村の長老で伝統的な漁法の専門家であるナムデヴ・ワイタラム・モア氏は、幼少期から今までずっとマングローブのそばで平和に暮らしており、水田に海水が入るのを防いできたマングローブの保護能力に敬意を表しています。
     
    「マングローブはスポンジのようなものです。人々はマングローブとつながっており、マングローブがなくなれば、堤防がなくなり、水田もなくなります。食べ物、堤防、マングローブでつながっているからこそ、私たちは生き延びていけるのです」
     
    apple インド マングローブ
     
    マングローブがインドの沿岸部の村々を守る力があることは、最近になって証明されました。2004年、インドネシアで発生した巨大な海底地震が引き金となり、インド東海岸にも津波が押し寄せましたが、そのときマングローブが巨大な波の衝撃を吸収しました。そのとき人々は、マングローブが村々を守る、コミュニティの静かな守護者であることに気付いたといいます。

    気候変動対策の取り組みに力を注ぐApple

    Appleは、気候変動に対する回復力と経済的利益を提供する世界中の取り組みに力を注いでおり、世界で最も繊細な生態系のいくつかを保護するため、コンサベーション・インターナショナル(CI)とともに世界初の「回復不可能な炭素(Irrecoverable Carbon)」のファイナンスラボを支援しています。
     
    CIによれば、「回復不可能な炭素」とは、複雑な自然生態系に貯蔵されている炭素のうち、伐採など人間の活動によって破壊されることで生態系から炭素が放出された場合、世界が目指す、最も危険な気候変動の影響を回避するための目標年までに再び生態系に吸収されることができない炭素のことであるとのことです。
     
     
    Source:Apple, コンサベーション・インターナショナル
    (lexi)

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