ノルウェー政府系ファンド、ティム・クックCEOの報酬に疑問

Appleシリコン WWDC 2020 ティム・クックCEO

Appleシリコン WWDC 2020 ティム・クックCEO
 
ティム・クック最高経営責任者(CEO)の報酬に疑問を抱いたAppleの大株主が、彼の給与体系に「重大な懸念がある」とし、株主総会で反対票を投じる構えを明らかにしました。

給与政策の透明性を高めるべきと主張

ティム・クックCEOの給与に疑義を呈したのは、総額1.3兆ドル(約150兆円)を運用するとされる、世界最大級の政府系ファンドであるノルウェー石油ファンド(ノルウェー政府年金基金グローバル)です。時価総額2.7兆ドル(約310兆円)のAppleが発行する株全体のうち、同ファンドは約1%を保有しています。
 
Appleは3月4日(現地時間)、オンラインで年次株主総会を開催し、多くの議案について株主からの投票を受け付ける機会を設けます。この中には給与に関する政策も含まれており、その一つがクック氏に9,900万ドル(約11億4,300万円)相当の給与とボーナスを認めるか否かというものです。

ロシア投資も取りやめて注目集めたばかり

Financial Timesによれば、ノルウェー石油ファンドは、5年〜10年に渡って年間給与の大半を株式で支給する方針を固定するべきだと主張、「許容できない結果」を避けるためにも、総報酬の透明性を提供するよう要求しました。
 
これに伴い、同ファンドは透明性、強制労働、公民権に関する監査、持続可能性の開示に関しても、Appleに疑義を呈するようです。
 
ノルウェー石油ファンドはこの報道に前後する形で、ウクライナ侵攻で批判を集めるロシアへの大型投資も取りやめる決定を下しており、大きな注目を集めたばかりです。Appleに限らず、一般的に株主は取締役会の方針に従いますが、今回“物言う株主”としての存在感が、ティム・クックCEOの給与にどの程度影響を与えるのか、気になるところです。
 
 
Source:Financial Times(1),(2) via AppleInsider
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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