ワクチン誤情報放置のSpotify、解約ムーブメントで時価総額2,000億円超消失


 
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンに関する誤った情報が放置されていることが問題視され、Spotifyの有料プランを解約するムーブメントが発生したことで、時価総額が20億ドル(約2,300億円)超目減りしています。

株価が大幅下落

新型コロナウイルスのワクチンについて事実とは異なる情報を流すポッドキャストが放置されていることを受け、アーティストのニール・ヤングが、同じプラットフォームに自身の曲を置きたくないとし、楽曲の公開取り下げを求めました。これに複数のアーティストが追従、さらにはSpotify利用者の間でもハッシュタグを通じて大規模な解約ムーブメントが発生しています。
 
ヤングが楽曲を取り下げた後、Spotifyの株価は26日〜28日にかけて6%下落しました。Spotifyの時価総額は28日の終値で328億ドル(約3兆7,800億円)なので、市場から2,000億円超が消失したことになります。なお、Spotifyは2022年に入って、株価がピークから25%以上下落しています。
 
株価 spotify
 
28日には株式市場全体が好調だったため、Spotifyの株価もわずかに回復しましたが、これはジョニー・ミッチェルがSpotifyからの楽曲削除を発表する前のことでした。ミッチェルは「無責任な人たちが、人々の生活を犠牲にするような嘘を広めている」と厳しく批判、「私はこの問題について、ニール・ヤングと世界の科学&医療界と連帯する」と述べました。
 
なお、Spotifyは今年始めにも、新型コロナウイルスに関する誤った情報を流すポッドキャストの危険性を訴えた、科学者270人の連名による公開書簡を受け取っています。

漁夫の利を得たApple Music

Spotifyを解約したユーザーは、音楽ストリーミングサービスを利用しなくなるのでしょうか。一部はこれを機会にサブスクリプションとの付き合い方を考えるかもしれませんが、多くは代替サービスに乗り換えるでしょう。彼らの受け皿となっているのが、Apple Musicです。
 
ニール・ヤングが楽曲の取り下げを発表した後、Appleはすぐに彼の音楽が自社サービスで視聴できることを大々的にアピールしました。その結果、Apple Musicに乗り換えるユーザーが少なくないことが先日も報じられたばかりです。
 
 
Source:NME,Google/Spotify株価
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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