5G通信技術を巡り、AppleとEricssonが再び交渉決裂〜双方が提訴へ

    ericsson apple ロゴ

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    巨大テック企業同士の激突が再び幕を切って落とされています。Appleは17日、米テキサス州東部地区連邦地方裁判所に対して、通信特許のライセンス契約で「手荒な手段(strong-arm tactics)」を使われたとし、Ericssonを提訴しました。

    双方が「不誠実」「手荒」と互いを非難

    今回の訴訟は、なんの前触れもなくAppleが突如起こしたものではありません。無線通信特許に対するライセンス使用料の合意が決裂したことを受け、Ericssonが10月、Appleのライセンス交渉は「不誠実だ」として、訴えに出たのが直接のきっかけです。
     
    一般的にテクノロジーの基盤となる特許技術を供与する際には、ライセンス使用料で「公平、合理的かつ非差別的(FRAND)条件」の遵守が義務付けられていますが、Apple側はEricssonの要求がFRANDではないと主張していました。
     
    そして今回は、逆にApple側がEricssonを訴える形で、先に起こされた“手荒”な訴えを退けるよう求めるとともに、事業運営に関わる機密情報を含むとして訴訟内容を機密にするべきだと主張するに至りました。

    2015年の和解がまもなく期限切れ

    直接的には10月にEricsson側が仕掛けたのがきっかけですが、さらに元を辿れば今回の訴訟は、2015年に起きたAppleとEricssonのライセンス訴訟にまで遡ることができます。
     
    携帯電話や通信技術の基礎を築いたEricssonは、スマートフォン関連で膨大な特許を所有しています。それらに適切なライセンス使用料を支払わなかったとして、2015年にも今回と同じような訴訟が起きていたのです。Ericsson側が米国でのiPhone販売禁止を要求したため、一時はiPhone終了の危機かとも騒がれましたが、最終的には一年越しで和解に至りました。
     
    この時に和解した期限が2020年末で終了するため、両社は更新交渉を続けていましたが、当時は契約に含まれていなかった5G技術を巡り、今回再びライセンス使用料で決裂したと考えられています。
     
     
    Source:AppleInsider,ASCII
    (kihachi)

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    丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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