【レポ】バッテリーが残っているのにiPhoneの電源が落ちた!自力で復活させた記録

    iPhoneのバッテリー残量表示

    iPhoneのバッテリー残量表示
     
    筆者がある日iPhoneを使っていると、まだバッテリーが30%以上残っているのに電源が落ちる現象に遭遇しました。
     
    起動しようとしてもバッテリー不足と表示され、充電をおこなうと起動するものの、その後またバッテリー残量が30%台になったところで電源が落ちます。
     
    Appleのサポートに相談したところ高額な修理見積もり額を提示されたため、自力で回復する方法を探して試した顛末をレポートしたいと思います。

    ある日突然、バッテリー残量30%以上で電源が落ちるようになったiPhone

    私が使っているのはiPhone XRなのですが、使い始めてから3年以上経過したため、1カ月半ほど前にバッテリーを交換しました
     
    さすがに新品のバッテリーは持ちが良く、快適に使えていたのですが、ある日突然使用中にiPhone XRの電源が落ちるようになりました。
     
    なぜ落ちたかわからず不審に思いながら電源スイッチを入れようとしたのですが、バッテリー残量がないという表示が出ます。
     
    しかし、電源が落ちる前のバッテリー残量は30%以上あり、残量警告が出る20%にすら達していませんでした
     
    充電をおこなったところ電源が入ったのですが、そのときのバッテリー残量表示は30%以上で、どうもおかしな状態です。

    バッテリーの容量表示は100%なのにバッテリー残量がある状態で電源が落ちる

    この現象、1度だけなら良かったのですが、その後もバッテリー残量が30%付近になると毎回起きます。
     
    このようなバッテリー残量がまだあるのにスマートフォンの電源が落ちる現象は、バッテリーが劣化している場合によく見られます。
     
    しかし、前述の通り筆者のiPhone XRはバッテリーを交換したばかりであり、バッテリーの健康状態を示す容量表示も100%です。
     
    最大容量が100%のiPhone
     
    もう1つ気づいたのは、電源が落ちる前触れとして、iPhoneの動作が遅くなり反応が悪くなるというものです。
     
    バッテリー残量が少なくなるとiPhoneはできるだけ長く動作を続けるために動作が遅くなりますが、それが起きているものと思われます。

    Appleのサポートに相談するも修理見積もり5万円を提示される

    さすがにこれはおかしいだろうということで、Appleのサポートに相談してみました
     
    Appleは店舗に赴かなくても、電話およびチャットでのサポートを受け付けています。
     
    Appleの持ち込み修理、チャット、電話によるサポート
     
    今回はチャットで相談しました。
     
    さまざまな質問に回答し、システム的なトラブルや機械的なトラブルを判別するためのリモートでの診断も受けたのですが、結論は「修理が必要」とのことでした。
     
    そして、修理費用の見積もり額は51,480円を提示され、かつ代替機なしで5日から7日かかるとのことで、かなりショックを受けながらチャットによるサポートを終了しました。

    さすがに3年前のiPhoneに5万円は出せないので自力解決を模索

    3年前のiPhone XRに5万円を出すのはさすがにつらいです。
     
    そこで、インターネット上を検索するなどし、バッテリー起因でiPhoneの電源が落ちる問題を自力で解決する方法を模索しました
     
    その結果、手間とお金がかからない順に、以下の5つの方法をおこなうことにしました。
     

    1. 再起動
    2. バッテリーリフレッシュ
    3. 端末を初期化、バックアップから復旧
    4. 端末を初期化、バックアップを使わずに復旧
    5. あきらめてiPhoneを買い換え

     
    以下、それぞれの詳細を説明します。
     

    再起動

    端末を再起動することにより、回復を試みる方法です。
     
    Androidに比べて安定性の高いといわれるiPhoneですが、ずっと電源を入れっぱなしにしているとソフトウェアの不具合で問題が蓄積したり、あるいは宇宙線の影響でメモリの内容が化けたりする可能性はあります。
     
    電源が落ちているということはすでに再起動されているような気もしますが、正常な状態で再起動をおこなうと何か違うかと思い、まずはこれを試みることにした次第です。
     

    バッテリーリフレッシュ

    バッテリーリフレッシュにはさまざまな意味がありますが、ここで試したいのはバッテリーの表示間違いの改善です。
     
    スマートフォンによく使われているリチウムイオン電池ですが、実は正確な残量の測定をスマートフォンからおこなうことができません
     
    その代わり、リチウムイオン電池が出力する電圧を測定するなどして残量を「推定」しています。
     
    何らかの原因でこの推定が狂うと、まだ残量が残っていると表示されているのに電圧の急速な低下によって電源が落ちたり、逆にまだ残量があるにもかかわらず表示が0%になったりということが起こりえます。
     
    そこで、バッテリー残量の推定をやり直し、正常な表示へ戻すためにバッテリーリフレッシュをおこないます
     
    具体的なバッテリーリフレッシュのやり方は以下の通りです。
     

    1. バッテリー切れで電源が落ちるまでiPhoneを使う
    2. 3時間から4時間、電源が落ちた状態のまま放置する
    3. 100%まで充電する
    4. 100%まで充電された状態のまま、しばらく充電を続ける

     
    なお、ここで紹介したバッテリーリフレッシュはあくまで残量推定間違いを改善するためのものであり、劣化したバッテリーを復活させる効果は期待できません。
     

    端末を初期化、バックアップから復旧

    iPhoneの継続利用により、ソフトウェアの不具合などでiOSの動作がおかしくなっている可能性があります。
     
    そこで、端末を初期化し、バックアップから復旧することで、iOSをクリーンな状態に戻すことが可能です。
     
    iPhoneのバックアップからの復旧機能は優れており、端末を初期化しても非常に少ない手間で元の状態に戻すことができます。
     
    とはいえ、
     

    1. バックアップをとる
    2. 端末を初期化する
    3. バックアップから復旧する
    4. バックアップで復旧されない分を手動で復旧する

     
    という手順が必要であり、それなりに手間と時間が必要です。
     

    端末を初期化、バックアップを使わずに復旧

    自力で回復させる方法の最後が、端末を初期化しバックアップを使わずに復旧する方法です。
     
    この方法はAppleのサポートから提案されました。
     
    インストールしているアプリのどれかが悪さをしている場合、バックアップから復旧してしまうとそのアプリも元の状態に戻ってしまいます
     
    そこで、iPhoneをクリーンな状態に戻し、まずはその状態でバッテリー残量があるのに電源が落ちないか確認します。
     
    それで問題なければ、1つずつアプリをインストールして同じことを試し、原因となっているアプリを突き止める方法です。
     
    アプリ1つ1つを試すのは時間がかかるので、
     

    1. 端末を初期化
    2. 使っていたアプリの半分をインストール
    3. 問題なければ残りのアプリの半分をインストールして試行、問題があれば再度初期化してインストールするアプリを1/4に減らして試行

     
    というような試し方を繰り返して絞り込むのが効率的でしょう。
     
    ただ、今まで使っていたアプリが使えない期間が生まれますし、これまで紹介してきた方法よりもはるかに時間がかかるため、あまりやりたくない方法ではあります。
     

    あきらめてiPhoneを買い換え

    ここまで試してだめなら、ほぼ間違いなくソフトウェア起因ではなくハードウェアの問題と考えられます。
     
    そうなったらあきらめてiPhoneを買い換えた方が良いと考えました。
     
    さすがに5万円出して3年前のiPhoneを修理するよりは、もう少しお金を出して新しいものを買った方が建設的ではないかと思います。

    試行の結果、バッテリーリフレッシュで回復!

    このような計画を立てて実行した結果、幸いにも2番目のバッテリーリフレッシュで回復しました
     
    バッテリーが0%になるまで電源が落ちることがなくなり、バッテリー表示が正常に戻ったようです。
     
    バッテリー0%まで使えるようになったiPhone
     
    端末の初期化までおこなうと手間と時間がかかるので、幸運だったと思います。
     
    修理費用の5万円が浮いたと思うとさらに幸せです。

    バッテリーリフレッシュはバッテリーに負担がかかるので注意

    なお、バッテリーリフレッシュはリチウムイオン電池に負担をかける可能性があるので注意してください。
     
    特に満充電状態が続くと、バッテリーの化学変化が促進され、寿命が短くなるといわれています。
     
    また、0%の状態が続くとリチウムイオン電池の保護回路が働き、充電できなくなる可能性があります。
     
    このため、頻繁にバッテリーリフレッシュをおこなうことはおすすめではなく、表示がおかしいと感じたときや数カ月に1度など、回数は少なく抑えた方がいいでしょう。

    自力での改善は自己責任で

    今回筆者は幸いにも、バッテリー残量があるのに電源が落ちる問題を自力で改善することができ、5万円という修理見積もり額を支払わずに済みました。
     
    しかし、実際にはAppleの修理に出しても5万円かからなかったかもしれないですし、より正しい方法で直してくれたかもしれません。
     
    また、今回効果のあったバッテリーリフレッシュはApple公式の方法ではありません。
     
    筆者と同じ現象に遭遇したからといって同じ方法で改善するとは限らず、まずはAppleのサポートに相談することをおすすめします。
     
    Appleのチャットサポートは非常に親切で、明快にこちらの疑問に答えてくれました。
     
    Appleに相談した上で、多額の修理費用が必要などの理由でAppleの提案を受け入れられない場合に限り、自力での改善を自己責任で検討してください。
     
    さらに、リチウムイオン電池は小型軽量なのにバッテリー容量が大きいというメリットがある一方で、扱い方を間違えると発火につながる危険性がある精密機器です。
     
    くれぐれも取り扱いには注意してください。
     
    最後に、筆者が試したこの記事の内容が、同じ問題で悩んでいる人の役に立てば幸いです。

     
     
    Source: Apple (1), (2), GIZMODO, iCracked, 日経XTECH
    (ハウザー)

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