市場独占の再燃?MicrosoftのOneDriveバンドルにEU企業が「待った」

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    欧州連合(EU)のオープンソースクラウド企業Nextcloudは、ソフトウェアやクラウド関連の組織や企業からなる連合団体Coalition for a Level Playing Fieldとともに、Windows 10/11にOneDriveクラウド、Teams、その他のサービスを積極的にバンドルするのは反競争的だとし、欧州委員会に申し立てを行いました。

    クラウドで圧倒的な存在感のMicrosoft

    今ではサードパーティーの代替ブラウザの登場で、すっかり存在感のなくなったInternet Explorerですが、2000年前後にはOSであるWindowsとのバンドルが独占禁止法に抵触するのではないかとして大きな問題になりました。
     
    当時のMicrosoftの存在感で認識が止まっている消費者ならば、なぜいま同社が再び独占禁止法絡みで批判を浴びているのか分からないかも知れません。しかし、時価総額が1兆ドル(113兆円)を超える“1兆ドルクラブ”の一員であることからも分かる通り、Microsoftの市場寡占はOSだけでなくクラウドでも発揮されつつあります。
     
    Nextcloudは、欧州連合(EU)のソフトウェアおよびクラウド関連の組織や企業で構成される「Coalition for a Level Playing Field」とともに、Windows 10および11にOneDriveクラウド、Teamsなどのサービスを積極的にバンドルする、Microsoftの反競争的な行為について、欧州委員会に正式に申し立てを行いました。

    バンドルでイノベーションも停滞する

    Nextcloudによれば、Microsoftは消費者にユーザー登録を促して自分のデータを引き渡させることで、Windows以外を選択しにくくなるような囲い込みを行い、競合他社に不公平な障壁をもたらしているそうです。
     
    具体的には、MicrosoftはEU市場のシェアを66%に拡大した一方、地元企業のシェアは26%から16%に低下しました。Nextcloudの見方では、これは技術的な優位性や販売上のメリットによるものではなく、市場での支配的な地位を乱用し、自社の製品やサービスを競合他社を退ける形で消費者に供給したことが理由なのだそうです。
     
    Nextcloudのフランク・カーリチェック最高経営責任者(CEO)は「Microsoftがかつてブラウザ市場の競争相手を殺し、10年以上に渡ってほぼすべてのブラウザの革新を止めてしまったことと似ている」とし、OneDriveのバンドルが同じように競合他社のビジネスやイノベーションを殺すことになると批判します。「競争の場で法を守らせ、消費者に自由な選択を、そして競合相手に公平な機会を与えるよう、欧州の規制当局に要求していくつもりだ」
     
     
    Source:ZDNet
    (kihachi)

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