Apple、スパイウェア「Pegasus」の開発元NSO Groupを提訴
Appleは現地時間11月23日、iOS及びAndroidデバイスユーザーを攻撃、監視するスパイウェア「Pegasus」の開発元であるNSO Groupを提訴したことを発表しました。同社は、提訴理由について「さらなる悪用と、ユーザー被害を防ぐため」だとしています。
Apple、NSO Groupを提訴
NSO Groupは、Pegasusを政府や法執行機関に限定して販売しています。しかし、同スパイウェアは世界中で人権侵害に加担してきたことが明らかとなっており、ジャーナリストや政治的敵対者のような人々を危険にさらしています。
Appleのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長クレイグ・フェデリギ氏は、iOSデバイスが安全であると強調していますが、NSO Groupのような企業がAppleのセキュリティシステムを解読するための高度なツールに何百万ドルも費やしていることを認めています。
Appleのデバイスは市場で最も安全な消費者向けハードウェアですが、国家支援でスパイウェアを開発する民間企業はより危険なものとなっています。このようなサイバーセキュリティの脅威は、ごく少数のユーザーにしか影響を与えませんが、Appleはユーザーに対するあらゆる攻撃を非常に深刻に受け止めており、全てのユーザーの安全を守るため、iOSのセキュリティ及びプライバシー保護機能の強化に常に取り組んでいます。
Pegasusは、ハッカーがiOS及びAndroidデバイスのマイク、カメラ、その他の機密データにアクセスすることを可能にします。攻撃者は、偽のApple IDを使用して悪意あるデータを被害者のデバイスに送信し、ユーザーが気付かないうちにPegasusスパイウェアをインストールします。
Apple、セキュリティ改善を行ったことを強調
Appleによると、このスパイウェアは、ユーザーのデバイスからデータを収集するだけで、同社のサーバーには何の影響も与えていないとのことです。また、同社はユーザーのメッセージを保護する「BlastDoor」機能など、iOS15で複数のセキュリティ改善を行ったことも強調しています。
NSO Groupのスパイウェアは進化し続けていますが、iOS15以降のOSを搭載するデバイスに対するリモート攻撃が成功したという証拠は確認していません。Appleは、全てのユーザーに対し、iPhoneをアップデートし、常に最新のソフトウェアを使用するよう呼びかけています。
Appleは、サイバー監視の研究と擁護を行う組織に、訴訟による損害賠償金と1,000万ドル(約11億円)を寄付することも発表しています。
Source:Apple via 9to5Mac
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