iPhone13の出荷時期にさらなる遅れ〜ベトナムのサプライヤーにコロナ影響
iPhone13シリーズのカメラモジュールの部品の多くはベトナムで生産されていますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、パーツ供給が制限されている、とNikkei Asiaが伝えています。
全モデルへの光学式手ブレ補正搭載が仇に?
iPhone13シリーズには、昨年と異なりすべてのモデルに光学式手ブレ補正(OIS)が搭載されていますが、これがコロナによる制約にあえぐサプライヤーに追い打ちをかけている、というのがNikkei Asiaの見方です。
「組立業者はまだ新型iPhoneを生産することができますが、カメラモジュールの在庫が不足しているため、需給ギャップが生じています」と、直接事情を知る幹部の一人はNikkei Asiaに語っています。「我々にできることは、毎日ベトナムの状況を注意深く観察し、生産量が増加するのを待つことだけです」
ベトナム南部にある主要なiPhone用カメラモジュール製造工場の1つが、数カ月間の断続的な中断を経て、ここ数日で徐々に生産を再開していることから、早ければ10月半ばごろには状況が改善する可能性がある、と別の幹部の人物がコメントしています。
現在のiPhone13 Pro 512GB シエラブルーの出荷までの待ち時間は、中国と日本で5週間、米国で4週間となっています。iPhone13 miniのお届け時間は、中国と米国で7〜10日、日本で15日となっています。
ベトナムから生産施設を撤退させる企業も
米中間の貿易戦争により、ベトナムに生産施設を設置する企業が増えましたが、同国は今年4月からコロナの感染者数増加に苦しんでおり、ホーチミン市やビンズオン省を含める、テック企業の工場が集中する南部がデルタ株の大きな影響を受けています。Apple、Netflix、Nike、Ikeaなどのサプライヤーは、ベトナム政府の厳格な対策措置により、7月中頃に生産中止を余儀なくされています。
ベトナム国内の米国、ヨーロッパ、韓国の商工会議所は、ベトナム政府に対して、過度なロックダウン政策を緩和するよう求めています。ある調査では、すでに20%の企業が国外に生産拠点を移したという事実も明らかになっています。
「パンデミックの影響で、iPhone13シリーズ用のカメラモジュールの供給が制限されていますが、新型iPhoneの出荷への影響はまだ何とかなりそうです」と、Isaiah Researchのシニア・アナリストはNikkei Asiaに対して楽観的な意見を述べています。
Source:Nikkei Asia
Photo:Apple
(lexi)