iPhone向けPCBメーカー、中国の電力規制で台湾工場の稼働時間を延長

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電力供給規制で中国のiPhone向けプリント基板(PCB)工場が一時的に生産を停止したのを受け、PCBメーカーはその穴埋めのため、10月1日より台湾工場の稼働時間を通常よりも延長して生産を行う計画のようです。台湾メディアDigiTimesが報じています。

電力規制政策で5日間稼働停止に

中国の地方政府の電力規制政策により、蘇州市と崑山市に生産施設を持つ複数のPCBメーカーは、9月26日正午から30日の深夜まで工場の稼動を停止することを発表しました。
 
ほとんどのPCBメーカーはクライアントの要求に現在の在庫で対応しているものの、10月になっても中国の工場に対する電力規制が撤廃されなかった場合に備え、10月1日からは台湾の工場の稼働時間を延長し、増産体制に入る手筈を整えているとのことです。

苦境に立たされるFlexium

特に苦境に立たされているのが、iPhone向けにフレキシブルPCBを供給しているFlexium Interconnectです。同社の台湾工場はPCBブランクボードの生産に特化しており、崑山工場で行われているモジュール組立を分担することができないためです。
 
DigiTimesは関係者から得た情報として、Flexiumの在庫だけでは、iPhone13シリーズの発売によりピークになっているAppleの需要に到底対応することはできないとし、供給が追いつかなければFlexiumの業績に影響が及ぶ可能性もある、と記しています。
 
PCBメーカー各社は中国地方政府による電力制限政策を注視していますが、長期には及ばないだろうという見方が主流のようです。

 
 
Source:DigiTimes
Photo:Predictable Designs
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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