【レポ】ギターの自動調弦だけじゃない!Roadie 3はスマホとの連携で本領発揮
最近は新型コロナウイルスの影響でおうち時間が増え、ギターを始める方が増えているといいます。そんなギターなどの弦楽器を演奏することが趣味の方にとって調弦は面倒な作業です。
美しい音を出すためには弾き始める前に正確な調弦が必須ですが、意外と手間と時間がかかり、楽器を弾こうという意欲が下がってしまうかもしれません。
Roadie(ローディー)シリーズの3代目となるRoadie 3は、弦を鳴らすだけで自動的にペグを回し調弦してくれるチューナーです。単体でも便利なのですが、スマートフォンアプリとの連携機能があり、それによって本領が発揮されるデバイスとなっています。
このRoadie 3を実際に購入しましたので使用感などをレポートします。
Roadie 3とは?
Roadie 3はその名の通り、Roadieシリーズの3代目にあたる製品であり、クラウドファンディングでは目標額の倍以上を集めて終了するなど登場時に注目を集めたデバイスです。
小さくてシンプルな本体に、調弦のためのチューナーと、ペグを回すためのモーターを備えており、普通のチューナーのようにギターのチューニングの際に音が外れているかどうかを表示するだけでなく、ペグを回して調弦することも自動でおこなってくれます。
対応している楽器は幅広く、エレキギター、アコースティックギター、クラシックギターはもちろん、ウクレレ、バンジョー、マンドリン、多弦ギターなど、非常に多くの種類で使うことが可能です。
なお、ベースには対応しておらず、別製品のRoadie BASSを使う必要があります。
Bluetoothでスマートフォンとの連携ができるのも特徴であり、iOSアプリとAndroidアプリが用意されています。
電源は内蔵のリチウムポリマー電池で、USB-C端子を使って充電をおこないます。1回の充電で最大150弦チューニングできるそうです。
Roadie 3本体でできること
Roadie 3本体ではどんなことができるのでしょうか。実際に試した動画を交えて紹介します。
ギターなどの楽器を自動で調弦できる
Roadie 3最大の特長が、ギターなどの楽器を自動で調弦する機能です。
百聞は一見に如かず、ということで実際にギターを調弦した動画がこちらです。
本体にはカラー液晶が搭載され、現在調弦している音名や測定した周波数、理想的な周波数に対して現在の周波数が高いか低いかを示すグラフが表示されています。
そして、本体をギターのペグに挿し、弦を弾くと測定した結果に応じてペグが自動的に回り、調弦がおこなわれるという仕組みです。
1つの弦のチューニングが終わるとビープ音と振動、および表示で教えてくれます。また、自動的に次の弦の調弦に入るため、連続して弦を調弦していくことが可能です。
変則チューニングにも対応
さらにうれしいのが、スタンダードな調弦だけでなく、特殊な調弦にも対応している点です。たとえば、6弦をDに落とすドロップDチューニングをおこなうには以下の動画のようにします。
やり方は、本体に搭載されているカーソルボタンを操作し、調弦モードをドロップDに変え、本体をペグに挿して弦を弾くだけです。
もちろん、ドロップD以外にも多彩な変則チューニングがプリセットされており、さまざまな曲に利用できるでしょう。
変則チューニングが必要な曲を弾く際には調弦を変えるのが面倒ですが、Roadie 3があればまったく苦労せずに変えられます。
メトロノーム機能搭載
楽器で曲を練習する際には、一定のリズムを刻んでくれるメトロノームがあると便利です。
Roadie 3にはメトロノーム機能が搭載されており、練習の際に便利に使えます。
使い方は、本体のカーソルボタンを操作し、メトロノームモードに入れるだけです。
上下ボタンでリズムを変えることができるほか、4拍子や3拍子などの拍の変更もできます。
リズムは音と振動で伝えることができ、どちらか片方だけにすることも可能です。バイブレーション機能があるので、うるさい場所であってもポケットなどに入れれば振動でリズムを感じることができます。
電動ペグワインダーにもなる
Roadie 3は電動ペグワインダーにもなります。
ギターなどの弦楽器の弦を交換するには、ペグを回して弦を外す必要がありますが、かなりの回数ペグを回す必要があります。
さらに、新しい弦をつける際にも同じくらいの回数ペグを回す必要があり、すべての弦を交換するのは結構重労働です。
Roadie 3には、ペグを回せるモーターが内蔵されていることを活かし、電動ペグワインダーとして動作する機能が搭載されています。
こちらも本体のカーソルボタンを操作し、ワインダーモードを選択するだけで使えます。
弦を外すときもつけるときも3段階の速さが選べ、誤って回しすぎることを防ぐことができるでしょう。
Roadie チューナーアプリで本領発揮
ここまでは本体だけでできるのですが、Roadieシリーズにはスマートフォンと連携する機能があります。
むしろ、スマートフォンと連携することで本領が発揮されるといっても過言ではありません。
Roadieシリーズ以外にも自動で調弦をしてくれる機器は売られていますが、スマートフォンと連携できるのはRoadieシリーズぐらいであり、Roadieシリーズのアイデンティティといえそうです。
スマートフォンと連携するには無料の「Roadie チューナー」アプリをインストールする必要があります。
楽器の追加がかんたん
Roadie 3には複数の楽器を個別に登録する機能があります。
さまざまな種類の楽器を弾く人はもちろんですが、同じタイプのギターであってもRoadie 3はギターを個別に学習・調整していくために、ギターの個体ごとにプロフィールを作成することが推奨されています。
この登録は本体でもできるのですが、名前を付ける作業など、小さくてボタンが限られている本体では面倒です。
スマホアプリなら名前の入力も含めた楽器の登録がかんたんにでき、さらに写真の追加もおこなうことができます。
なお、スマホアプリには日本語で楽器の名前を付けることができますが、残念ながらRoadie 3本体の液晶では文字化けが起きるため、アルファベットでつけたほうがよさそうです。
マニアックな変則調弦が作成できる
Roadie 3にはもともとさまざまな変則チューニングがプリセットされていますが、自分独自の変則チューニングを作ることも可能です。
しかも、単に各弦の音を変えられたり、カポタストの位置や基準音(A4)の周波数を変えられたりするだけではありません。
なんと、各弦の周波数をセント単位で調整することができるのです。
これにより、わざと和音が揺らぐような効果を与えたり、調に合わせてより和音をきれいに響かせる効果が得られたりするでしょう。
さらに、右上の「記録」ボタンを押すと、現在のギターの音をマイクで聴き取り、その音を新しい調弦として残すこともできます。奇跡的に生まれた調弦でもRoadie チューナーアプリを使って記録しておけば、いつでも再現可能です。
作成した調弦のクラウドへの保存ができる
せっかくこだわって作成した独自の調弦も、Roadie 3本体が壊れてしまったらまた作り直しになります。
そんなときのために、Roadie チューナーアプリには、クラウドにデータを保存する機能が搭載されています。
たとえ本体の故障や紛失があったとしても、かんたんにデータを復帰することが可能です。
ファームウェアの更新ができる
Roadie 3は、発売後も機能改善やバグフィックスのために新しいファームウェアが開発されています。
アプリを使えばBluetooth経由で本体のファームウェアアップデートが可能です。
筆者が受信したアップデートは、Low-G調弦のウクレレが楽器タイプに加わったというものでした。
ワイヤレスでアップデートできるので気軽に更新できます。
アプリにもチューナー機能内蔵
Roadie 3もチューナーなのですが、このRoadie チューナーアプリにもチューナー機能が内蔵されています。
もちろん、自動調弦機能はなく、単に音のずれを表示するだけなのですが、Roadie 3を忘れてしまったり手元になかったりした場合でもスマホさえあれば手動で調弦が可能です。
チューナー機能には楽器ビューとクロマチックビューがあり、楽器ビューの場合は作成したカスタムチューニングが使えます。
いずれのビューでもスマートフォンの表示機能を活かしたリッチな表現が使われており、音が合っているかどうかが視覚的にわかりやすいものとなっています。
非常に便利なスマートフォン対応自動チューナー、ネックは価格か?
この記事で紹介してきたとおり、Roadie 3は単に自動で調弦してくれるだけでなく、プロも含め幅広い層の方が便利に使える機能が満載された新世代のチューナーです。
ただ、価格は定価で16,500円(税込)と、普通のチューナーに比べると格段に高いのが消費者にとっては購入をためらうところでしょうか。
ただ、Roadie 3を使うことでギターを弾くときのチューニング作業が非常に楽になりますし、メトロノーム機能や電動ペグワインダー機能も役に立つのは確かです。
チューニングが苦手という方はもちろん、たくさんの楽器を持っている方や、音にこだわりがある方は購入を検討してみてはいかがでしょうか。
Source: Roadie, オカダインターナショナル
(ハウザー)