Amazon倉庫従業員の生産性測るアルゴリズム、州法案で規制も

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Amazonの従業員が生産性を測るアルゴリズムによって健康や安全が危険に晒されているとして、米カリフォルニア州が新たな規制法案の可決に向けて動いています。

1年間で数百人の従業員が解雇

Amazonのフルフィルメントセンター(配送センター)で使用されている生産性測定アルゴリズムに反発する新たな法案が、米カリフォルニア州議会で、5月の下院に続いて上院でも9月中に採決される見込みです。
 
すでに下院では可決されているため、このまま上院を通過した場合は、従業員の生産効率を追跡して自動割り当てを行うシステムに透明性が要求され、健康と安全を脅かすと判断された場合はアルゴリズムそのものが停止されることとなります。法案にはAmazonの名前は具体的に記されていないものの、議会では同社の名前が度々取り沙汰されました。
 
ニュースサイトThe Vergeによるレポートを引用したロレーナ・ゴンザレス議員によると、メリーランド州ボルチモアの施設で1年超に渡る調査を行った結果、ノルマを達成できなかったために、自動化されたシステムによって数百人の倉庫従業員が解雇されていたそうです。

「労働のあるべき姿ではない」と議員指摘

ゴンザレス議員は「翌日配送を可能にするべく、Amazonのような企業は倉庫で働く従業員に対し、より速く動き、より多くの顧客の注文を記録的な速さでさばくよう、身体を危険に晒すことを強いている」とし、「いかなる労働者も、人間としての基本的ニーズを犠牲にしたり、給料のためにこのような威厳を欠いた状況を受け入れることを強いられるべきではない」と、労働のあるべき姿から現状がかけ離れていると批判しました。
 
新たな法案では、ノルマの内容や未達だった場合の措置を従業員に対して明確に示さなければなりません。また食事や休憩、トイレの使用を妨げるようなシステムも禁止されます。しかしトイレ休憩に関する問題は、この法案の対象とはならない配送ドライバーに集中しているため、今後はさらなる包括的な枠組みが求められる可能性もあります。
 
宇宙飛行に繰り出し感動を口にしたジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は、自身の倉庫で起きている惨状を目の当たりにして何を感じるのでしょうか。
 
 
Source:The Verge
(kihachi)

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丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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