MacBookを修理する〜Apple Store、正規、非正規でどう違う?

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The Wall Street Journal(WSJ)のジョアナ・スターン記者が、2台の故障したMacBookをApple Store、Apple正規サービスプロバイダ、非正規独立系修理業者に持ち込み、見積もりをとり、実際に修理するまでの過程をレポートしました。

2台のMacBookを修理依頼、見積もりは?

スターン記者が修理を依頼したのは、MacBook Pro(2017)とMacBook Air(2020)で、どちらも水没が原因で故障しています。
 
同記者はニューヨークのApple Store、同じくNYにあるApple正規サービスプロバイダのMike’s Tech Shop、そして非正規修理業者であるSimple MacとRossmann Repairに同じモデルを持参し、見積もりを取りました。
 

Apple Store

MacBook Pro(2017)の修理費用は999ドル(899ドルは修理費用、100ドルは人件費)、MacBook Air(2020)は799ドルという見積もりでした。ただし、999ドル出せば新品が買えます。
 

Apple正規サービスプロバイダ

Mike’s Tech Shopの見積もりは、MacBook Pro(2017)は1,170ドル、MacBook Air(2020)は870ドルで、Apple Storeよりも高額でした。同店によれば、この手の修理を行うには、Mike’s Tech Shopのような小さな店舗の場合、Appleリペアセンターへ送る必要があるため、コストがかかってしまうのだそうです。
 

非正規修理業者

Simple MacのMacBook Pro(2017)の修理見積もりは350ドル、Rossmann Repairは325ドルでした。しかしMacBook Air(2020)については両業者とも「修理ができない」とのことでした。
 
スターン記者は最終的にMacBook Pro(2017)の修理をRossmann Repairに依頼しています。Rossmann Repairのオーナーであるルイス・ロスマン氏は、「修理する権利」の推進派であり、自身のYouTubeチャンネルで修理方法を指導していることでも知られています。

非正規修理業者は部品や情報を入手できない

この修理の過程で、スターン記者はいくつかの事実を知ります。ロスマン氏はMacBook Pro(2017)を修理するのに、彼が「ドナーボード」と呼ぶ、古いMacBookのボードに載っていた部品を使用しました。
 
MacBook Air(2020)が修理できないのは、新しいモデルについては部品が入手できないのと、修理に必要な情報がないためでした。ロスマン氏はMacBook Pro(2017)の修理に用いたボードやその他の修理用部品を、サードパーティーやリサイクル業者から入手しています。ロスマン氏によれば、Appleは部品メーカーがこれらの部品をApple以外に販売することを禁じているとのことです。
 
また情報については、ロスマン氏ら非正規修理業者は、元Apple従業員などから流出したAppleの社内向け文書を手に入れ、修理の際の参考にしているそうです。

「修理する権利」、気になる今後の動向

今後の保証のことを考えれば、Apple Storeで修理を依頼するのが最良でしょうが、新品を購入するのとほぼ同額の費用がかかるといわれたら、ほとんどの人は修理をあきらめるでしょう。しかし修理をあきらめて新品を購入する行為は、電子ゴミの増加につながります。
 
米国では、米連邦取引委員会(FTC)が「修理する権利」の保護に乗り出す動きを見せており、今後の動向が注目されます。
 
 
Source:WSJ via iMore
Photo:MacRumors
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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