豪規制当局、AirTagを子どもに近づけないよう警告

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オーストラリアの規制当局は、安全上の懸念からAppleの紛失防止タグAirTag子どもの近くに置いてはいけない、と警告を発しました。

ボタン電池の誤飲ケースが多々発生

AppleのAirTagは、コイン形リチウム電池CR2032により動作します。腕時計やその他の小型デバイスでよく使用される一般的なバッテリーです。
 
しかしながら、オーストラリアでは毎週20人の子どもたちがボタン電池を飲み込んだことにより救急救命室に搬送されているとのことです。過去8年間で、3人の子どもたちが死亡に至っており、44人は重傷を負っています。
 
最も憂慮されるのは、バッテリーが子どもの喉に入り、そこからリチウムが漏れ、体内組織の燃焼を引き起こす場合です。これにより、致命的な出血に見舞われ、バッテリーの誤飲から数時間以内に死亡または重傷につながる可能性があります。

AirTagのバッテリー格納セキュリティは十分ではない?

薬やボタン電池など、飲み込むと危険な小さなものから子どもを守るために、国際的な子どもの安全基準では、容器やケーシングに「押してひねる」仕組みが採用されています。
 
AirTagにも同様の仕組みが使用されていますが、軽く押すだけでバッテリー格納部分が開かれてしまう可能性があると指摘されています。加えて、バッテリー格納部分がしっかり閉まっていると思ったのに実際にはロックされていなかったということも考えられます。

Appleはパッケージに警告ラベルを追加も…

オーストラリア​競争・消費者委員会(ACCC)は、6月28日付けでAirTagに関する警告文を公式サイトに掲載しています。
 
内容の要約は、下記のとおりです。
 

ACCCは、Apple AirTagが幼児の手の届かないところに保管されていることを確認するよう保護者に呼びかけています。これは、製品に内蔵されているボタン電池のアクセス性と安全性について安全上の懸念があるためです。
 
ACCCは、AirTagのバッテリー収納部分に幼児がアクセスでき、ボタン電池が簡単に取り外せることを懸念しています。さらに、AirTagの電池収納部の蓋は、閉めると独特の音が鳴りますが、蓋が完全に閉まりロックされていなくて音が鳴るため、閉まっていなくても閉まっているように思わせてしまう場合があります。

 
AppleはAirTagのパッケージに警告ラベルを追加しましたが、ACCCは「これだけでは、子どもたちがこれらの機器のボタン電池にアクセスできるという根本的な懸念を解消することはできません」と、懸念を払拭できない旨のコメントを述べています。
 
 
Source:ACCC via 9to5Mac
(lexi)

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この記事を書いた人

ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

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