Xiaomi、近距離ワイヤレス充電技術「Mi Air」を発表

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中国Xiaomiは現地時間1月29日、近距離ワイヤレス充電技術「Mi Air Charge Technology」を発表しました。Qiとは異なり、充電器との接触を必要としない、近距離ワイヤレス充電技術です。

トランスミッターに144個のアンテナアレイ

Xiaomiによると、同技術では数メートル離れた場所にある複数のデバイスに対し、同時に5Wでのワイヤレス充電が可能とのことです。動画では「部屋に足を踏み入れた途端に自動的に充電が始まる」と説明されています。
 
当然ですが、ワイヤレス充電を行うにはトランスミッターが必要となります。同社によればトランスミッターは内蔵アンテナにより、充電するスマートフォンの位置を正確に把握します。144個のアンテナアレイが、ビームフォーミングによってミリ波を直接スマホに送ります。
 

年内に製品化の予定なし

Xiaomiによると、スマホ側にも小さな「ビーコンアンテナ」と「受信アンテナアレイ」を搭載する必要があり、現在開発中とのことです。ビーコンアンテナは位置情報を発信し、14個のアンテナから成る受信アンテナアレイは受信したミリ波を整流回路によって電気エネルギーへと変換します。
 
Xiaomiによれば、年内にこの中距離ワイヤレス充電技術が一般消費者向け製品に適用されることはないそうです。

トランスミッターはかなり大きい

Xiaomiはトランスミッターのサイズには言及していませんが、動画で見る限りではかなり大きなもののようです。遠隔からワイヤレス充電できるというのは確かに便利ではありますが、わずか5Wの出力で充電するために、大型のトランスミッターを室内に設置するというのは、あまり現実的ではないかも知れません。

現時点でも実用化されていない近距離ワイヤレス充電技術

近距離ワイヤレス充電技術は、これまでも度々報じられてきました。2017年にワイヤレス充電技術開発の米Energousが、同社の近距離ワイヤレス充電技術「WattUp」が米連邦通信委員会(FCC)による認証を取得したと発表、話題となりました。
 
Energousについては一時期Appleとの提携も囁かれ、iPhoneに採用との噂も流れたほどです。
 
そして2018年のCES2019年のCESでも注目を集めながら、結局2021年現時点でも実用化されていないのは、これら近距離ワイヤレス充電が有線充電はもちろん、接触が必要なQiワイヤレス充電と比べても、充電効率があまりにも悪いからだと思われます。

 
 
Source:Xiaomi via TechCrunch
(lunatic)

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