新型コロナのゲーム却下は独禁法違反?アプリ開発者がApple訴える

viral days アプリ

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ドイツ在住のアプリ開発者であるフロリアン・ミュラー氏が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をテーマにしたゲームアプリがストアに公開されなかったのは欧州連合(EU)の定めた独占禁止法に抵触しているとして、規制当局に対しAppleGoogleを訴えました。

政府の許可なしでコロナ関連アプリはNG

ミュラー氏の開発したアプリは「Corona Control(コロナ・コントロール)」というタイトルで、ゲームを通じて新型コロナウイルスに対する知識を深めていく内容でした。しかし同氏が11月にAppleGoogleにアプリを申請したところ、両社ともユーザーに誤った情報を提供しかねないとの理由で、ゲームの公開を却下したそうです。
 
ミュラー氏によれば、新型コロナウイルス関連のアプリは「健康や安全情報への信頼性を確かなものにする」べく、申請に先んじて政府の承認を受ける必要があると指摘されたとのことでした。

ただのウイルス対策ゲームならOK?

そこでミュラー氏は、アプリの名前を「Viral Days(ウイルスの日々)」に変更、12月に改めて申請したところ、一転してAppleとGoogleの両社から公開を許可されました。しかしゲームの内容は、感染拡大を続けるウイルスに対して、ソーシャルディスタンスやマスク、一時的なロックダウンの有用性を示すリアルタイムストラテジーであり、実質的にはほぼ新型コロナウイルスの啓蒙アプリのままです。
 

 
公開を取り付けたミュラー氏ですが、アプリ開発者やカテゴリー、トピックにもとづいてルールを包括的に設けてくるAppleやGoogleに対して納得がいかず、イノベーションを妨げているとしてEUの規制当局に訴えを申し出ました。
 
もっとも、同氏は以前から大手テック企業の市場独占に反対する運動家として活動していたこともあり、今回のアプリ却下は想定の範囲内だった可能性もあります。事実、同様の訴えを米司法省やドイツ、オランダ、イギリス、ブラジル、オーストラリアの規制当局にも起こしています。
 
なお、執筆時点(2021年1月23日)で「Viral Days」はApp StoreとGoogle Playの両方でダウンロードが可能です。
 

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カテゴリ:ゲーム
現在の価格: 無料

※アプリの金額については記事執筆時の価格を記載しております。インストール前に、「App Store」での表示価格をご確認いただきますようお願いします。
 
Source:iMore
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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