「AirPods Maxの売れ行きには期待していない」台湾PCBサプライヤー
近く発売となるApple初のワイヤレス・オーバーイヤーヘッドホンAirPods Maxの売上について、同製品向けにプリント基板(PCB)を提供する台湾のサプライヤーは、それほど大きな期待を抱いていないようです。台湾のサプライヤー情報に詳しいDigiTimesが伝えています。
AirPods Max向けPCBの売上は伸びない?
同メディアが関係者から得た情報によると、AppleのAirPodsシリーズ向けにリジッドフレキシブル基板を供給中で、AirPods Max向けにもPCBを供給しているとされる台湾Compeq ManufacturingとUnitechはこの最新のオーバーイヤーヘッドホンについて、それほど大きな売上は期待できない、つまりPCBの売上も伸びないと考えているようです。
ワイヤレスイヤホン市場を確立、今も人気を誇る完全ワイヤレスイヤホンAirPodsシリーズに比べると、AirPods Maxが属するオーバーイヤーヘッドホン市場は規模が小さい上に価格が高いというのがその理由です。
しかもオーバーイヤーヘッドホン市場では、音響を専門とするJBL、ソニー、Boseなどがそれぞれ優れた製品を販売、しのぎを削っています。
これまでも新市場を開拓してきたApple
このDigiTimesの記事に対し米メディア9to5Macは、事実かも知れないが、的を射ているとは言い難いと指摘しています。
第一に大手PCBサプライヤーにとって、もともとオーバーイヤーヘッドホン向けPCBの供給はそれほど多くを占めていないという事実です。つまりAirPods Maxだから供給量が少ないという意味にはならない、と同メディアは記しています。
第二にAppleはこれまでにも、新しい製品を開発し、新たな市場を開拓してきたという実績があると9to5Macは指摘します。iPhone、Apple Watch、そしてAirPodsもそうです。
またAppleは、HomePodsやiPhone12 mini(大型化に逆行する小型5Gスマホ)に代表されるように、あえてニッチな市場に切り込んでいく傾向が見られるとも、同メディアは述べています。