Appleの革新の秘密はその組織構造にあった〜Apple Univのトップが語る

    Apple Park

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    Appleのトレーニング施設「Apple University」のトップを務めるジョエル・ポドルニー氏が、Harvard Business Reviewにおいて、Appleが革新的であり続ける秘密はその組織構造にあるとして、大企業としてはまれな同社の構造について記しています。

    全マネージャーを1日で解雇

    Appleほどの大企業ともなれば、最高経営責任者(CEO)のもと複数の事業部門があり、各部門にはマネージャー(責任者)がいて、それぞれの損益(P&L)を管理する、という仕組みが一般的です。
     
    しかし故スティーブ・ジョブズ氏がAppleのCEOとして復活した1998年、同氏は1日のうちに全事業部門のマネージャーを解雇して、会社全体をひとつの機能的な組織にしてしまいました。
     
    そしてポドルニー氏によれば、当時の約40倍もの規模に成長した現在も、Appleは同様の形態を維持しています。つまり組織図を見ると、別個になっているのはティム・クックCEOひとりで、あとはすべての部署(デザイン、ハードウェア・エンジニアリング、ソフトウェア、マーケティングなど)が同列に並んでいます。各部署は「製品」ではなく、「機能」別となっています。つまり「iPhone事業部」や「Mac事業部」は存在しないのです。
     

    専門家が専門家を率いるApple

    ではなぜAppleは機能を中心に組織化されているのでしょうか。ポドルニー氏は、革新的な製品を生み出すには「特定の分野に専門的な知識を持った専門家が必要」だとAppleが考えているためだと述べています。
     
    多くの大企業では、管理能力に長けた人物(マネージャー)が、専門家が所属する事業部門を率いていますが、Appleにはこのマネージャーが存在しません。ハードウェア部門の人間は全員がハードウェアの専門家、ソフトウェア部門の人間はソフトウェアの専門家です。
     
    そのためAppleの各部門のリーダーには、開発中の技術や製品の詳細を把握していることが求められます。

    iPhoneの角部分の形状にこだわる

    その一例としてポドルニー氏が挙げているのが、iPhoneの丸みを帯びた角の部分の形を決定した際の話し合いです。Appleの各部門のリーダーたちは直線に弧を組み合わせるという一般的なやり方には満足できず、とことん論議した末に、現在では「スカークル(“squircle”スクウェアとサークルを組み合わせた造語)」として知られる形状を生み出したそうです。スカークルは直線から急激に弧に変わることなく、緩やかにカーブしていくのが特徴です。
     
    一般的な大企業において、部門のトップが顔を突き合わせ、製品の「角」のデザインについて何時間も論議を交わすなど、想像もつかないことです。
     
    このようにAppleでは、各部門がその分野の専門家によって率いられているため、社内には数百もの専門家チームが存在し、複数のチームが日々アイディアをぶつけ合い、協力しあって、新技術や新機能を生み出す努力を続けているのだそうです。

     
    ポドルニー氏はほかにもAppleの組織に関する興味深いエピソードを記していますので、関心のある方はHarvard Business Reviewの記事をお読みください。

     
     
    Source:Harvard Business Review
    Photo:Apple
    (lunatic)

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    この記事を書いた人

    元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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