Appleイベントの中国動画サイト配信、何の説明もなく取り消されていた

 
日本時間で午前2時から始まったAppleの新作イベントは、世界中のファンが固唾を呑んで見守り大盛況に終わりました。しかし、中国ではイベント開始前後で大手動画プラットフォームが配信を取り消すことを決めたようです。

動画配信サイトの名前が公式から消える

Appleイベントは当初、中国のiQIYI（愛奇芸）、BiliBili、Tencent（騰訊）、Weibo（微博）、Youku（優酷）といった大手動画プラットフォームでライブ配信されることが決定していました。5つのプラットフォームでの配信は、Appleの中国版公式Webサイトでも確認できました。
 

中国だと Apple ではなくサードパーティー (iQIYI, Bilibili, Tencent Video, Sina Weibo, Youku) でストリーミング配信するのね。 pic.twitter.com/zehmxTqVg1

— shao / 澤田 翔 (@shao1555) October 13, 2020

 
ところがBloombergの北京在住記者であるガオ・ユエン（Gao Yuan）氏によると、突然これらの配信が各動画プラットフォームで取り消されたようです。どのタイミングで取り消されたのかは不明ですが、ユエン氏は「説明は何もなかった」「始まって以来の出来事だ」とコメントしています。
 

Just to be sure, this is the 1st time for Chinese platforms to collectively cancel the new iPhone livecast since they began to do so years back. I vividly remember they hire simultaneous translators and commentators in order to get maximum attraction in midnight. No more. https://t.co/jwDWtWLxiB

— Gao Yuan (@GaoYuan86) October 14, 2020

米中貿易摩擦が関係か

Appleは公式コメントを出していないため、はっきりとした理由については分かっていませんが、米中貿易摩擦が関係している可能性はありそうです。
 
トランプ政権はHuaweiに対する制裁だけでなく、WeChatやTikTokといった中国発のSNSに対しても安全保障上の脅威を指摘、ダウンロード禁止措置を求めています。これを受けて、中国側もAppleなどの米企業に何らかの制裁を課すのではないかと見られており、両国の間では緊張が高まっています。
 
米中のどちら側から“物言い”が入ったのかは不明ですが、楽しみにしていたユーザーはさぞかし落胆したことでしょう。消費者には何の罪もありません。
 
 
Source:AppleInsider,Twitter(1),(2)
(kihachi)