iPhone12など発売に向け、Apple Storeが配送拠点として機能開始
Appleが、iPhone12などの新製品発売に向けて、Apple Storeを製品配送の拠点として活用し始めた、と米メディアBloombergが報じています。配送期間短縮などの効果が期待されます。
配送期間短縮、コスト削減、環境にも優しい
Appleは従来、オンラインストアなどで購入された製品を、配送センターもしくは中国から直接配送していました。
アメリカとカナダで、配送先に近いApple Storeに在庫があれば、店頭在庫を直接配送する方法が導入されている、とBloombergが事情に詳しい複数の関係者からの情報として伝えています。
配送先に近い店舗から在庫を配送する手法は、ネットスーパーなどの業界などでは一般的で、配送期間短縮、コスト削減のほか、利益率向上、環境負荷の軽減にもつながると期待されています。
6月頃から試験実施し本格導入へ
Apple Storeからの配送は、配送先が店舗から100マイル(約160キロメートル)以内の場合に適用され、配送大手のUPSとFedExの地上輸送で、注文の翌日には配送されるとのことです。
なお、製品をどこから配送するかは、Appleが配送先住所とApple Storeの距離と在庫状況をもとに決定するため、顧客が選択することはできません。
Apple Storeからの配送は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による一時休業から営業を再開した後の6月から7月にかけて、少数の店舗で試験実施された後、本格実施に移行しています。
ただし、アメリカとカナダに約300店舗あるApple Storeの全店が在庫の配送に対応しているわけではありません。
iPhone12など多くの新製品発売に向けた準備
Apple Storeからの配送を導入した理由についてBloombergは、Appleが今後計画している多くの新製品発売への準備と報じています。
今後発売される新製品として、5G対応のiPhone12をはじめ、9月に発表されたiPad Air(第4世代)、オーバーイヤーヘッドホンのAirPods Studio、スマートスピーカーのHomePod mini、Appleシリコン搭載のMacが挙げられています。
なお、Bloombergのマーク・ガーマン記者は、米国内のApple StoreにiPad Air(第4世代)らしい新製品の入荷が開始されており、発売が近いのではないかと述べています。
一部店舗はサポートやコールセンター機能も担う
Appleは、Apple Storeが再度休業することになった場合に向けて、一部店舗にオンラインサポートやコールセンター業務の機能を担わせることを検討している、とBloombergは伝えています。
一部のApple Storeでは、店舗のバックヤードを小規模なコールセンターとして活用しているほか、従業員が自宅からオンラインサポートやコールセンター業務にあたっているとのことです。
Source:Bloomberg
(hato)