Twitter、社内で人種差別を彷彿させるエンジニア用語の使用を避けていく方針
Twitterは、「master/slave(マスター/スレーブ)」「whitelist/blacklist(ホワイトリスト/ブラックリスト)」など、人種差別を連想させるエンジニア用語を別の言い方に置き換えていく方針です。2019年の社員の黒人プログラマーの指摘がきっかけとなった取り組みは、今年1月から始まっています。
「blacklist」は「denylist」に置き換え
黒人のジョージ・フロイドさんの警官による殺害事件が発端となり、全世界へと拡がっているブラック・ライヴス・マター(直訳:黒人の命は大切だ)運動ですが、Twitter社内では人種差別的な表現として理解されかねないエンジニア用語を別の言葉で言い表す試みが実施されています。
取り組みのきっかけとなったのは、Twitter社員の黒人プログラマー、レジナルド・オーグスティン氏が2019年に受け取った社内メールです。エンジニア用語の一環として「automatic slave rekick」というフレーズが含まれていましたが、同氏は嫌な感じを覚えたと語っています。
マスター/スレーブ方式とは、一つが管理・制御を行う側、もう一つが制御される側という役割分担の方式であり、master(主人)とslave(奴隷)という意味合いはありませんが、人種差別を連想させる表現であるとも言えます。2018年に、プログラミング言語Pythonの開発者たちは「master/slave」の使用を取りやめています。
オーグスティン氏に送られてきたエンジニア用語のフレーズ「automatic slave rekick」は、そのまま文字通りに読むと「奴隷を無意識に再度蹴る」と理解することもできます。
新しいエンジニア用語のリストが公開
オーグスティン氏は、Twitter社内で合意に至ったエンジニア用語の別の表現のリストをツイートしています。
We settled on the following. It’s good but not exhaustive, and intentionally so. We've created a process around this list so anyone can propose changes. This isn't just about language choice in code. Our words matter in meetings, conversations, and the documents we write too. pic.twitter.com/7RYTPino2D
— Regynald (@negroprogrammer) July 2, 2020
- 「whitelist」は「allowlist」に
- 「blacklist」は「denylist」に
- 「master/slave」は「leader/follower」「primary/replica」「primary/standby」に
- 「grandfathered」は「legacy status」に
- ジェンダーを特定された代名詞(「guys」など)は「folks」「people」「you all」「y’all」に
- ジェンダーを特定された代名詞(「he」「him」「his」など)は「they」「them」「their」に
- 「man hours」は「person hours」「engineer hours」に
- 「sanity check」は「quick check」「confidence check」「coherence check」に
- 「dummy value」は「placeholder value」「sample value」に
Source:CNET
(lexi)