NHSのCOVID-19接触者追跡アプリ、ワイト島で先駆けてサービス開始

2020年5月28日

英国の国民保健サービス（National Health Service、以後NHS）の新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の濃厚接触者追跡アプリ「NHS COVID-19」が、英国南部のワイト島で先行的にサービス開始となりました。

ワイト島で先駆けて配信開始する理由とは？

NHSは、ワイト島で「NHS COVID-19」を先行配信する理由として、島という地理的な条件と、コンパクトな人口（14万人）がテストを行うのに最適であるため、と説明しています。

ワイト島でのアプリ展開は最初の大規模テストとなり、今後英国がソーシャル・ディスタンシングなどを含めるCOVID-19の拡大防止策をどのように進めていくかを決める、重要なステップになるとされています。

The #NHSCOVID19app available now on the #IsleOfWight automates the process of contact tracing. Find out how it will help reduce the transmission of #coronavirus here: https://t.co/rzgGGmuV13 pic.twitter.com/niyF1gEfkl

— NHS COVID-19 app (@NHSCOVID19app) May 28, 2020

AppleとGoogleのAPIは使用せず

NHSは、COVID-19濃厚接触者アプリの開発段階ではAppleとGoogleの協力を仰いだものの、最終的に両社が共同開発したアプリケーション・プログラミング・インタフェース（API）を使用しないという選択をしました。

「NHS COVID-19」アプリは、個人情報をいっさい取り扱わず、すべてのデータは匿名で処理されます。アプリはユーザーの位置情報のトラッキングは行わず、自己隔離のモニタリングや法の執行には使われることはありません。

アプリはデバイス内の個人的なアイデンティティやその他の情報にアクセスすることはできません。

匿名で収集されたデータは最大28日間保存されますが、情報はその後削除されます。