世界10キャリアの5G下り速度調査比較〜Verizonは高速だがほとんど使えない
日本では今年3月から都市部を中心に始まった5Gサービスですが、アメリカなどでは、2019年からすでに導入されています。
Opensignalが、5Gの商用サービスで先行しているアメリカ、オーストラリア、韓国、イギリスの4カ国において、5Gサービスを提供している計10キャリアを対象に、下り速度を測定した調査結果を発表しました。
平均下り速度ではVerizonが断トツの首位
10キャリアの中で、平均下り速度がもっとも速かったのは米Verizonでした。これは10キャリア中Verizonのみが、ミリ波(mmWave)帯だけを使用しているからだろうと、Opensignalは説明しています。ただしミリ波は高速で大容量通信を実現する反面、直進性が高く長距離伝送に適さないため、広範囲をカバーできないという欠点を抱えています。
逆にAT&TとT-Mobileの平均下り速度が遅いのは、両キャリアがローバンドを利用しているため(AT&Tは850MHz帯、T-Mobileは600MHz帯)です。ローバンド(低周波数帯)5Gは、カバー範囲が広いという長所を持ちますが、速度と容量の面で劣ります。
韓国3キャリアが上位に
このほかのキャリアはみな、5Gサービスにミッドバンド(中周波数帯)を利用していますが、韓国の3キャリアの平均下り速度が揃って200Mbpsを超えているのに対し、イギリスのEE以下は150Mbps以下、特に米Sprintは114.2Mbpsと、韓国キャリアとかなりの差が生じています。
これについてOpensignalは、利用可能な5G周波数帯の容量や基地局の能力、各キャリアの中核となるネットワークの性能などが影響していると分析しています。
とはいえ、5Gサービスが4Gに比べ、圧倒的には速いのはどのキャリアでも共通しています。
Verizonの5G接続率はわずか0.5%
ただしどんなに下り速度が速くても、使えなければ意味がありません。Opensignalは5Gスマートフォンユーザーが、どのくらい5Gネットワークに接続できているかの調査も実施しました。
平均下り速度では他社を圧倒したVerizonですが、5Gに接続できるのはスマートフォン使用時間のわずか0.5%でした。つまりほとんどの時間は5Gネットワークを使えないということになります。
一方、速度では最下位となったT-Mobileは、5G利用率では19.8%でトップとなりました。2位から4位までは韓国キャリアが占めています。
なおiPhoneは、今秋発売が見込まれるiPhone12から、5Gに対応すると予測されています。
Source:Opensignal via 9to5Mac
(lunatic)