英開発の新型コロナ追跡アプリ、古いiPhoneでは利用できず

Apple Google NHS イギリス

Apple Google NHS イギリス
 
イギリスでは新型コロナウイルス(COVID-19)の蔓延を防ぐべく、公的機関の国民保健サービス(National Health Service)がユーザー追跡アプリを開発しています。すでに試用は5日から始まっていますが、このアプリが動作するのはiOS11以降を搭載したiPhoneに限られることが分かりました。

アプリが利用できるのはiPhone5sまで

新型コロナウイルス対策を目的としたユーザー追跡アプリは、利用こそあくまでも任意ですが、正確性やプライバシーの観点から疑問の声も上がっています。また5日から英ワイト島で試用が始まっていますが、少なくないユーザーから同アプリがバッテリーを消耗するとの苦情が寄せられています。
 
また、NHSで同プロジェクトを統括するマシュー・グッド氏の「人々が命を助け、NHSを守り、元通りの生活を取り戻したいと思ってるなら、このアプリをダウンロードするのが唯一の道だ」といった発言とは裏腹に、このアプリをインストールできるのは一部のユーザーに限られそうです。
 
NHSでアプリ開発チームを率いるジェレイント・ルイス氏によると、iPhoneはiOS11以降、AndroidはAndroid 8(Android Oreo)を搭載した端末以降に限られるそうです。 したがって、iOS11をインストールできる一番古いiPhoneは2013年発売のiPhone5sとなるため、それ以前のiPhoneではアプリを利用できません。

AppleとGoogleのAPIは使わず

こうしたアプリで最も問題になるのが、ユーザープライバシーをどう扱うかでしょう。
 
NHSが現在試用しているアプリは独自の追跡システムを搭載しており、情報は英政府のデータベースに蓄積されます。セキュリティ面でも効率面でもより洗練されたシステムとして、AppleとGoogleが共同開発した濃厚接触の追跡・検出技術がありますが、NHSは技術開発でこそ協力を仰いだものの、両社のAPIとは距離を置いています。
 
GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)の軍門に下り国民のプライバシーを彼らに任せるか、それともリスクを冒して性能が劣る独自システムを使うのか――NHSはさぞかし頭を悩ませていることでしょう。
 
 
Source:BBC,AppleInsider(1)(2)
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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