IBM PalmTop PC110、懐かしのウルトラマンPCの分解解説動画が公開

    IBM PC110

    IBM PC110
     
    1995年に日本IBMから発売されたPalm Top PC110通称ウルトラマンPCの分解解説動画が、YouTubeで公開されています。ライオス・システムが開発したチップなど、内部の様子を詳しく説明しています。

    IBM PC110、ウルトラマンPCの誕生

    ウルトラマンPCことPalm Top PC110は、日本IBMとリコーの共同開発で、1995年に発売されました。A6ファイルサイズながら、TypeⅢハードディスクを利用すればWindows95(OSR2)をインストールし、動かすことも可能だったことから、ユーザーによるカスタマイズも話題となりました。

    基本スペック

    PC110 fdd
     
    PC110のディスプレイサイズは4.7インチでした。対角長でいえば、iPhone SE(第2世代)と同じ大きさしかありません。PC110本体底面にポートリプリケーターを組み合わせることで、外部FDDを利用可能でした。
     

    通話機能内蔵

    PC110 call
     
    PC110は本体マイクとスピーカーを利用して通話が可能でしたが、実際に利用された方は少ないのではないでしょうか。
     

    CFスロット

    PC110 side
     
    PC110の本体左側にはPCMCIA TypeⅡカードスロットが上下に2つ(TypeⅢ 1つ)、右側にはCFスロットが1つ用意されていました。
     

    Project Monolith

    PC110 Monolith proto
     
    PC110誕生のきっかけとして当時のメディア(月刊誌などの紙媒体)でも取り上げられていたのが、プロトタイプ機として作られた「モノリス」です。本機のデザインは、HP-LXシリーズや、SONY ICF-SW100を彷彿とさせます。
     

    この大きさに機能を凝縮

    PC110 vs W700
     
    Thinkpad W700と並べると、PC110のサイズがいかに小さかったかがわかります。
     

    MacBook Air 13よりも圧倒的に小さいフットプリント

    PC110 vs MBA13
     
    MacBook Air 13インチと比較しても、フットプリントはPC110の方が圧倒的に小さいのがわかります。
     

    PalmTop PC110の分解

    PC110 ram
     
    動画を公開しているBeige-o-Vision氏によって分解が開始されます。ボトムカバーを外して内部にアクセスします。サードパーティーによる、着色アルマイト処理されたジュラルミン製ボトムカバーが、T-ZONEなどで販売されていました。
     

    メインボード

    PC110 MB
     
    PC110のメインボード(ロジックボード)は、搭載するチップの数が多いのが確認できます。
     

    CPU

    PC110 CPU
     
    CPUは486SX 33MHzで、ダイ表面にはライオス(Beige-o-Vision氏はリオスと発音)の刻印が見受けられます。
     

    グラフィックコントローラー

    PC110 video chip
     
    グラフィックコントローラーはC&Tの65535Aで、こちらにもライオスの刻印が入っています。
     

    オーディオチップ

    PC110 audio chip
     
    オーディオ周りは、ESSとヤマハの組み合わせとなっています。
     

    VRAM

    PC110 vram
     
    512Kの日立製DRAMが、VRAMとして用いられています。
     

    バス、カスタムチップ

    PC110 controler
     
    PC110のバスは、バス幅を16bitに拡張したISAバス、Personaware専用のタッチパッド用のデジタイザなどを制御していたのも、ライオスのカスタムチップだったようです。

    マザーボードには「MONOLITH」のロゴ

    PC110 Mbl logo
     
    月刊モービルPCなどの雑誌でも、PDAと共に取り上げられ話題になったPC110ですが、直接の後継機もなく1代で消えていきました。
     
    発売されて数年後には、サードパーティーのジュラルミン製カバーや、ポートリプリケーターと共に、T-ZONEで3万円以下で販売されていました。当時、T-ZONEではPC110だけではなく、希望小売価格が50万円以上と高価で、購入する人の少なかった三菱製の超薄型ノートパソコン(ラップトップ)、Pedionも激安価格で販売されていました。
     
    初代PedionのキーボードはiPad用Smart Keyboardと、素材感や、キータッチが似ているものでした。
     
    動画はこちらからご確認下さい。
     

     
     
    Source:Beige-o-Vision/YouTube
    (FT729)

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    この記事を書いた人

    ZAURUS PI-6000以降、PDA、PC、Apple製品を多数使用するガジェット愛好家。iPhone Maniaでは2020年2月より、リーク情報、最新のApple製品情報、秋葉原情報を配信。Palm Treo 750vを米国で使用して以降、各種スマホ愛用中

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