中東・アフリカのスマホ市場、2019年第3四半期は成長が鈍化
2019年第3四半期(7月〜9月)における中東・アフリカ(MEA)地域のスマートフォン市場は、前年同期と比べ2%増と緩やかな成長となったことが、調査会社カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチの調べで明らかになりました。
経済・政治・規制などが影響
スマホ市場の成長率が前年同期比でわずか2%にとどまった理由についてカウンターポイントは、ナイジェリア、エジプト、南アフリカなどを合わせた、中東・アフリカの4分の1の売り上げを占める国々が、経済、政治、規制など、さまざまな問題を抱えているためと分析しています。
同社のアソシエイト・ディレクター、タルン・パサク氏は「中東・アフリカ市場の各国は、異なる発展段階にあり、それゆえ様々な経済・政治・規制の課題を抱えている。中東・アフリカは世界で3番目に多いインターネットユーザーである5億人超を抱えるものの、その普及度は4割程度と、とても低い。従って、初めてインターネットに触れるユーザー層が、この地域のスマートフォン市場の次なる成長を担うことになるだろう。中東が、伝統的に強力かつ発展を遂げた地域であることに対して、ナミビアやタンザニア等のアフリカの一部の国々には、インターネットアクセスのコストが世界一高額な国々が残っている。この地域格差を埋めるには、キャリア、政府、端末メーカーが、一体となって努力する必要がある」と述べています。
上位5社で市場の5割以上を獲得
同市場では、Samsung(29%)、Tecno(9%)、Huawei(9%)、iTel(6%)、infinix(4%)の上位5社が、57%のシェアを握っています。売筋は100米ドル未満のモデルで、スマホ市場全体の55%を占めています。400米ドル以上の高級機種は中東・アフリカ地域における出荷数量の6%に過ぎず、しかもアラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアなどの発展した国の需要に依存しています。
また同地域内では発展している中東ではスマホ市場の成長率は横ばいです。第3四半期にクウェート、UAE、カタール、バーレーン、サウジアラビアなどではすでに5Gサービスが始まり、2020年には急拡大する可能性があります。一方でアフリカ市場への5G導入はかなり先のことになりそうです。
Source:PR Times/Counterpoint Technology Market Research
(lunatic)