Appleなどのテック企業は緊急電話への自動発信がどのように扱われるべきか相談すべき


     
    Appleなどのテック企業は、開発するモバイルデバイスに自動的に緊急電話をかけてくれる機能を付与していますが、緊急電話への自動発信がどのように救急センターで取り扱われるべきか、相談が必要である、と欧州の緊急通報用電話番号に関するNGO団体European Emergency Number Association(EENA)が注意を喚起しています。

    緊急メッセージの発信元に誰もいなかったという事例も

    EENAは公式Twitterアカウントで、今年4月にドイツで起きた、デバイスの緊急電話への自動発信が女性の命を救った事例についてツイートしました。
     

    今年4月、ドイツで80歳の女性が家に一人でいるときに倒れました。女性の身につけていた時計が転倒を検出し、自動的に緊急電話に発信したため、救命につながりました。

     


     
    EENAはその一方、自動的にかけられた緊急電話の発信元で誰も見つからなかった事例も紹介しました。
     

    今年11月、スペインの救急センターは、自動的に送られてきた位置情報を含める緊急メッセージをもとに、隊員たちを現地に派遣しました。しかしながら、彼らが到着すると、その場所には誰もいませんでした
     
    隊員たちの頭から離れないことが一つありました。もし、何かが実際に起こったにも関わらず、送られてきた情報が間違っていたとしたら?もし誰かが実際に助けを待っていたとしたら?

     

    EENAは声明を発表

    EENAは、ヨーロッパを中心とする24カ国の救急センターが参加調印した、緊急電話への自動発信の取り扱いについての声明を発表しました。
     
    EENAによれば、デバイスの緊急アラームの誤作動も相まって、各国の救急センターはモバイルデバイスから送られてくる緊急メッセージをうまく処理できないでいる、とのことです。
     
    時々、外国語でアプリからユーザーが危険な状況にあると緊急メッセージが送られてくることもあり、市民に危険が迫っているにも関わらず、救急センターがどのように対応したら良いのかわからないという状況が起きている、とされています。
     
    この状況は、テック企業と製品への信頼性を損ない、ユーザーの安全を危険にさらす可能性がある、とEENAは続けています。
     
    EENAは、Appleを含めるテック企業に、緊急発信・メッセージの取り扱いについて相談するよう促しています。
     
     
    Source:EENA via 9to5Mac
    Photo:Piqsels
    (lexi)

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    この記事を書いた人

    ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

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