ByteDance、TikTokを中国事業から引き離す動きを強める


 
動画共有プラットフォームTikTokを運営するByteDanceは、TikTokを中国版アプリ「Douyin」から切り離す動きを強めていることが明らかになりました。

強制的な売却を避けるための方策か

対米外国投資委員会(CFIUS)は、ByteDanceによる2017年のソーシャルメディアアプリ「Musical.ly」の10億ドル(約1,094億円)規模の買収を安全保障の観点から審査する見通しです。Musical.lyは、現在急成長を見せているTikTokの礎(いしずえ)となったアプリです。
 
ByteDanceは、TikTokにアップロードされる情報が中国当局に漏れることはないことをCFIUSに納得させようとしている、とReutersが伝えています。
 
ByteDanceは、個人情報の管理にセキュリティ面の問題があるとして、同性愛者のための出会い系アプリ「Grindr」の売却に追い込まれた中国企業Beijing Kunlun Techのような顛末を避けたいと考えているようです。

米国の調査開始前からすでに経営上の切り離しを決行

今年の10月にCFIUSから追求を受ける前から、ByteDanceはすでにTikTokとDouyinの経営上の切り離しを進めていました。匿名の情報元によれば、2019年の第3四半期(7月〜9月)にTikTokの製品・ビジネス開発部門、マーケティング部門、法務部門がDouyinから切り離されたとのことです。
 
ByteDanceは今夏から、個人情報の保管方法の監査を行う外部コンサルタントを雇い入れていることもわかっています。ByteDanceのデータはすべて米国内で保管されており、バックアップはシンガポールにあると説明されています。また、TikTok上のコンテンツに対して、中国当局は法的権限を持たないともByteDanceは主張しています。
 
CFIUSの調査の開始後、TikTokは、中国に在籍にするエンジニアがTikTokのデータベースにアクセスする権限を持つべきかどうかを判断し、行動を監視する、データ管理の監督業務を行う新たなチームを米カリフォルニア州マウンテンビューに立ち上げたとされています。
 
また、TikTokは、中国国内の従業員への依存を減らし、米国拠点のエンジニアの雇い入れを積極的に行っているとも伝えられています。
 
 
Source:Reuters
(lexi)

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この記事を書いた人

ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

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