スマホ決済の未利用者、消費増税のポイント還元も「利用しない」が約半数

 
MMD研究所は、「2019年9月スマートフォン決済の利用に関する意識調査」の結果を発表しました。消費増税に合わせたポイント還元の利用意向など、スマホ決済の利用状況によって差が出る、興味深い結果となっています。

スマホ決済の利用有無、メイン利用サービスごとに詳細調査

「2019年9月スマートフォン決済の利用に関する意識調査」は、先日公表された「2019年9月スマートフォン決済に関する実態調査」の続編で、メインで利用するスマホ決済別に詳しく調査・分析しています。
 
回答者は、PayPayなどの「QRコード決済利用者」が250人、Apple Payなどの「非接触決済利用者」が250人、QRコードと非接触決済の「併用利用者」が500人、「スマホ決済未利用者」が500人です。

スマホ決済利用理由、非接触型とQRコード型で違い

スマホ決済を利用しようと思ったきっかけを、利用スマホ決済別に聞いたところ、非接触決済利用者は「会計がスピーディーに終わる」が44.7％で最多なのに対して、QRコード決済利用者は「ポイントがたくさん貯まる」が45.5％で最多となり、傾向に違いが見られます。
 

 

スマホ決済利用しない理由は「スマホの紛失が心配」

スマホ決済未利用者に、スマホ決済を利用しない理由を聞いたところ「スマホの紛失や壊れた時に心配」が52.2％で最多、以下「登録が面倒」32.0％、「個人情報を登録するのが嫌」30.0％などと続いています。
 

 
スマホ決済未利用者にスマホ決済を利用しようと思ったことがあるかを尋ねたところ、「利用してみようと思ったことはない」が65.6％が最多となりました。
 

 

非接触型は「使い勝手が良い」、QRコード型は「お得」

QRコード決済と非接触決済を併用している利用者に、スマホ決済のイメージについて、当てはまるものを選択してもらったのが以下のグラフです。
 
非接触決済は「使い勝手が良い」、QRコード決済は「お得である」の項目で、それぞれ最も差が開きました。
 

 

スマホ決済利用者の過半数「今後も利用したい」

スマホ決済の利用者に、今後もスマホ決済を利用したいか聞いたところ、QRコード決済利用者の52.1％、非接触決済利用者の59.7％と、いずれも過半数が「今後も継続して利用したい」と回答しています。
 

 

政府のキャッシュレス方針、スマホ決済未利用者は反対派が多い

日本政府が2025年までにキャッシュレス決済比率40％、その先は80％まで高めることを目標にしていることについて賛否を尋ねたところ、スマホ決済の利用有無で傾向に大きな違いがありました。
 
「賛成」「やや賛成」の合計は、スマホ決済利用者では、QRコード利用者（43.2％）、非接触利用者（39.2％）、併用利用者（58.4％）と、約4割〜6割弱でした。
 
一方、スマホ決済未利用者の賛成率は19.2％で、「反対」「やや反対」の合計が34.6％と、賛成派を反対派が上回っています。
 

 

消費増税に伴う還元、スマホ決済未利用者の半数弱「利用しない」

消費増税に合わせて実施されるポイント還元にあわせてキャッシュレス決済を利用するか質問したところ、QRコード利用者の86.4％、非接触利用者の82.4％、併用利用者の89.6％と、8割以上が「利用する」と回答しています。
 
一方で未利用者で「利用する」の回答は39.0％にとどまり、「利用するつもりはない」が44.8％、「利用したいがやり方がわからない」が16.2％となりました。
 

 

スマホ決済に関するクイズ、非接触決済について誤解目立つ

調査の中で、スマホ決済に関する情報に〇か×で答えるクイズも実施されています。
 
正解率が低かったのは、以下2問です。
 
「非接触決済・タッチ式決済はスマホの充電が切れると使えない」の正解は×ですが、71.2％の人が〇と回答しています。
 
「圏外でも非接触決済・タッチ式決済は使える」の正解は〇ですが、55.7％が×と回答しています。
 

 
MMD研究所の調査結果ページには、キャッシュレス決済比率を高める方針についての自由回答抜粋や、スマホ決済利用状況別のクイズ回答傾向などのデータも掲載されていますので、関心のある方はチェックしてみてください。
 
 
Source:MMD研究所
Photo:Apple
(hato)